VW、20年の利益率低下へ 中国で販売減か

2020/2/29 1:51
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【フランクフルト=深尾幸生】独フォルクスワーゲン(VW)は28日、2020年の特殊要因を除く売上高営業利益率が前年を下回る見通しだと発表した。19年の7.6%に対し、6.5~7.5%になるとみる。新車市場の停滞で価格競争が厳しくなるためだ。VWは販売台数の4割を中国が占める。新型コロナウイルスの影響については「注視しなければならない」と述べるにとどめた。

VWは天津工場などの操業再開を17日に再延期した=ロイター

同日発表した19年12月期の通期決算(速報値)は、純利益が前の期比13%増の133億4600万ユーロ(約1兆5800億円)だった。営業利益は169億6千万ユーロと22%増え、独ダイムラーや仏ルノーなどが大幅減益となるなかで堅調さが際立つ。

売上高は7%増の2526億3200万ユーロ。欧州や南米が好調で世界出荷台数が1097万台と1%増えたほか、単価の高い多目的スポーツ車(SUV)の比率が高まった。

15年に米国で発覚したディーゼル車の排ガス不正に伴う罰金などの費用は18年より27%減り23億3600万ユーロだった。VWは同日、排ガス不正の対象車を購入したドイツの消費者に総額最大8億3千万ユーロを支払うことで消費者団体と和解した。

20年の見通しは販売台数が「前年並み」とし、売上高は最大4%増えると見込む。電気自動車(EV)の新車攻勢に向けた研究開発費の負担が重いが、自動車部門全体の研究開発費比率は6.0~6.5%に抑える。19年は6.7%だった。

フランク・ウィッター最高財務責任者(CFO)は声明で「厳しい市場環境は続く。目標達成のためには全社にわたる多大な努力が必要だ」と強調した。

目標達成のカギを握るのが新型コロナで混乱を極める中国市場だ。VWは春節明けの生産再開時期の延期を再三余儀なくされた。24日の時点でも2拠点が再開できていなかった。調査会社IHSマークイットによると、VWの中国での1日あたりの生産台数は約1万5千台と、自動車メーカーのなかで最も多い。

生産が再開しても、販売の回復には時間がかかりそうだ。独自動車工業会(VDA)は27日、20年の中国の新車市場が19年比7%減るとの見通しを発表した。新型コロナが感染拡大する前の予測は2%減だった。

中国の市場全体の新車販売台数が前の年比8%減だった19年にVWの中国販売は1%増で踏みとどまった。だが、20年に市場がさらに縮小すれば成長維持のハードルは上がる。VWにとって利益率も最も高い市場だけに全体の業績への影響は大きい。

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