課題残し、駆け足の"年度末" 最後の登校日

2020/2/28 23:05
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自宅学習に向けて教材を持ち帰るため、大きなバッグを抱えて帰る生徒ら(28日、東京都台東区)

自宅学習に向けて教材を持ち帰るため、大きなバッグを抱えて帰る生徒ら(28日、東京都台東区)

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐとする政府の要請を受け、来週から休校に入る各地の学校で28日、急ごしらえの"終業式"が開かれた。「長い春休み」で所定の授業時間を満たさなくなる恐れもあり、各校は自宅学習などの対応を急ぐ。多くの都道府県が休校にかじを切る一方、授業を続ける自治体もある。突然の休校方針に地方からは異論も相次いだ。

政府の28日の正式な要請を受け、各地の学校が3月2日から臨時休校に入る。東京都も2日から都立校を臨時休校する。期末テストは中止し、学年末の成績は2学期までの評定などを総合的に評価するよう、都立高校などに通知した。

「30年以上教員生活をやっているがこんなことは初めて。どうしたらいいか分からない人も居ると思うが、落ち着くことが一番大切です」。3月2日から休校となる都立白鴎高等学校(東京・台東)で休校前最後の登校日となった2月28日、田嶋博幸主任教諭が語りかけた。

春休みの前倒しで自宅学習が1カ月に及ぶため、課題の量は例年の3倍ほどになり、生徒からはため息が漏れた。ある女子生徒(16)は「急な休校で混乱している」と話した。

3月2日から休校した場合には、学習指導要領が求める授業内容を消化できない恐れもある。各地の教育委員会などは補習などの検討を進める。

同日午後から3月25日まで休校する都内の公立小学校では、予定していた授業を教科書のページなどを指定したプリントの自宅学習で補う。「休校はやむをえないが、例年の児童と学習量に差が出ないようにしたい」と校長は説明する。

2月29日から3月13日まで市立の小中学校と幼稚園を休校園にする大阪市。市教委によると、文部科学省が定める科目ごとの授業時間に満たない学校が出る可能性がある。

制度上は進級できるが、市教委は「学びが足りない分野があれば見過ごせず、春休み中の補習などを検討しなければならない」と話す。3月初旬に期末試験を予定していた中学校もあり、市教委は学校の判断で休校中も試験を実施できるとした。

文科省が一斉の臨時休校を正式に要請する通知を出したことを受け、休校の実施を決定、もしくはその方針を示した都道府県教育委員会は2月28日、46教委に上ることが判明した。感染者が出ていない島根県教委は当面の休校を見送った。

ただ都道府県教委の判断は都道府県立高校などが対象。小中学校の設置主体の市区町村教委では、異なる判断をする例も出ている。各地の自治体からは政府の要請に異論も出た。

島根県の丸山達也知事は28日、県立高と特別支援学校は当面休校にしないと表明した。「学習の遅れや休校時の家庭の負担を最小限にする」と説明。県内で感染者が出るなどすれば速やかに休校にする。市町村立の小中学校は各自治体の判断に委ねる。同県出雲市は同日、小中学校で通常通り授業をすると発表した。

「周知や議論の期間があまりにもなく、市民に責任を持って説明できない」。金沢市の山野之義市長は28日、3月2日からの休校を現時点で考えていないと明らかにした。「地方には中小企業が多く、親が休んだり勤務時間を短縮したりすることで企業への影響も大きい」とも指摘した。

京都市教育委員会も週明けも授業を続け、休校は3月5日からとすることを決めた。国の要請は2日からだが、同市担当者は「休校期間中の子供の居場所など検討事項が多く、課題の洗い出しなどに時間がかかる」と話す。

県内で感染が確認されていない佐賀県は、臨時休校期間を3月3~15日で検討している。山口祥義知事は休校要請について「もう少し前もって要請することもできたのでは」と疑問を呈した。

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