マレーシア野党連合、マハティール氏の腹心支持

2020/2/28 23:01
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ムヒディン元副首相(左)はマハティール氏(右)の腹心として知られる=ロイター

ムヒディン元副首相(左)はマハティール氏(右)の腹心として知られる=ロイター

【クアラルンプール=中野貴司】マレーシアの野党連合は28日、マハティール暫定首相の腹心でマレーシア統一プリブミ党(PPBM)総裁のムヒディン元副首相を次期首相候補として支持すると発表した。野党連合は連邦議会下院(定数222)に60議席を持つ。PPBMの36人の議員と合わせ、ムヒディン氏は過半数(112議席)に迫る96議員の支持を得る。

一方、マハティール氏が首相を辞任する前に禅譲を約束していたアンワル元副首相も92議席の与党連合の支持を得ており、ムヒディン氏と拮抗する。当面は18議席と9議席をそれぞれ持つ2つの地域政党を取り込む争いが激しくなりそうだ。

マハティール氏が26日のテレビ演説で野党連合の中核である統一マレー国民組織(UMNO)を批判したため、野党連合は同氏の陣営と距離を置き、早期の下院解散、総選挙が必要だと主張していた。だが、マハティール氏が議長を務めるPPBMは28日、野党連合が受け入れ可能なムヒディン氏を首相候補とする方針を決めたため、マハティール氏の陣営と共闘する方針に切り替えた。

マレーシア東部のボルネオ島が本拠の2つの地域政党は28日時点で、正式にどの候補を支持するか表明していないが、マハティール氏との距離が近いとされる。仮にムヒディン氏が両党か、2つのうち18議席の党の支持を得られれば、過半数を確保でき、次の首相に就く可能性が高まる。

アンワル氏の陣営もボルネオ島が恩恵を受ける経済政策を提案し、巻き返しに懸命のようだ。

2つの地域政党は新政権下での影響力を高めるため、ぎりぎりまで支持候補を明かさない可能性もある。地域政党の動向が次の首相選びを左右する展開になっている。

マレーシア王室は28日、国王が与野党の党首の意見を改めて聴取した上で、次の首相を任命すると発表した。マレーシア憲法は「国王が下院議員の過半数の信任を得ていると判断した議員を首相に任命する」と定める。国王は26日までに、全下院議員を対象にした首相選定に関する意見聴取を実施したが、過半数の支持を得た候補がなく、首相を決めることができないでいる。

有力候補に浮上したムヒディン氏はマハティール氏が24日に首相を辞任するまで、主要閣僚の内相を務めていた同氏の右腕とされる存在だ。副首相だったナジブ政権時代に政府系ファンド「1MDB」の汚職疑惑が浮上し、ナジブ氏を批判したため、更迭された。その後、マハティール氏の新党結成に加わり、2018年の政権交代に貢献した。

PPBMがマハティール氏でなく、ムヒディン氏を首相候補としたのは、過半数の支持獲得を優先したためだ。ひとまず野党連合の取り込みには成功したが、仮にムヒディン氏が首相になっても、マハティール氏が実質的に権力を握り続ける可能性がある。数合わせを優先したこうした戦略が、どこまで世論に受け入れられるかは不透明だ。

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