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「暴力削減期間」終了へ 米・タリバン和平合意署名へ調整

【ワシントン=中村亮】米国とアフガニスタンの反政府武装勢力タリバンが設けたアフガンでの「暴力削減期間」が28日に終了する。双方が暴力削減の履行を確認すれば29日にも和平合意に署名する方針で調整は大詰めを迎えた。合意は2001年に始まったアフガン戦争の終結に向けた大きな転換点との期待が高まるが、将来のアフガンの統治体制づくりなど課題は山積しており政情安定への道筋は不透明だ。

米国とタリバンは18年夏ごろ、アフガン戦争を終結させるため和平協議を本格化させた。米側によると、和平合意にはアフガン駐留米軍の撤収と、その条件としてタリバンがアフガンにおける(アルカイダなど)国際テロ組織の活動を認めないなどといった内容の確約が盛り込まれる。29日にも中東カタールの首都ドーハで合意に署名する方向で調整を進めている。

米国は署名に先立ち、和平に向けたタリバン側の真剣度を測る必要があると判断。22日から1週間にわたる「暴力削減期間」を設けて合意の履行能力を見極めてきた。

ポンペオ国務長官は25日の記者会見で暴力削減に関し「完璧ではないがうまくいっている」と評価した。26日にはアフガン駐留米軍トップのミラー司令官が防護具を身につけずにアフガンの首都カブールを歩き、市民との記念撮影に応じたり靴屋で店員らと握手したりする姿をみせた。暴力削減が履行され、治安が回復しているとアピールする狙いだとみられる。

一方、現地メディアなどによるとタリバンはアフガン政府軍を狙ったとみられる攻撃を散発的に続けている。米軍も暴力削減の対象でない過激派組織「イスラム国」(IS)に対する空爆を実施している。米国との対話を嫌うタリバンの戦闘員の一部がISに加わる可能性も指摘され、治安安定は見通しにくい。

米与党・共和党にも和平合意に懐疑的な見方がある。22人の共和党の下院議員は27日、ポンペオ氏とエスパー国防長官に宛てた書簡でタリバンについて「自爆テロを称賛するテロ集団だ」と断じて合意履行の確証がないと指摘。和平合意への署名に関し「強く懸念している」と表明して、早計な署名にクギを刺した。

トランプ大統領は11月の米大統領選に向け、アフガン駐留米軍の縮小・撤収を外交成果としてアピールする考えだ。だが、議会には、米軍撤収を性急に進めればアフガンでの国際テロ組織の再興を許し、米国が再び攻撃を受けるとの危機感がある。

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