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JASRACの著作権料徴収認める 東京地裁、音楽教室敗訴

(更新)
東京地裁

日本音楽著作権協会(JASRAC)が音楽教室から著作権使用料を徴収すると決めたのは不当として、音楽教室を運営する約250事業者がJASRACに徴収権限がないことの確認を求めた訴訟の判決が28日、東京地裁であった。佐藤達文裁判長は教室側の主張を退け「使用料は徴収できる」との判断を示した。

音楽教室側は控訴する意向を示した。

著作権法は「公衆に聞かせる目的」で楽曲を演奏する権利(演奏権)について、作曲家などの著作権者が持つと規定する。JASRACはこれに基づき、2018年から音楽教室に対し著作権使用料の徴収を始めた。

訴訟では音楽教室での演奏が(1)「公衆」に対する演奏に当たるか(2)「聞かせること」を目的とした演奏といえるか――が争われた。

佐藤裁判長は判決理由で、音楽教室は継続的・組織的にレッスンを行っており生徒数は多いと指摘。申し込めば誰でも受講できることとあわせ「生徒は不特定多数の『公衆』に当たる」と判断した。さらに、技術向上のため教師が生徒に演奏を聞かせることは「聞かせることを目的とした演奏に当たる」として、著作権使用料を徴収できると結論付けた。

JASRACは使用料を年間契約の場合で受講料収入の最大2.5%としている。ただ、実際に支払い契約を結んでいるのは20年1月末時点で全国約770事業者のうち10事業者にとどまる。

原告側は判決を受けて「レッスン時の演奏にまで使用料を徴収するのは音楽文化の発展を阻害する」との声明を出した。 JASRACの世古和博常務理事らは判決後に「適切な判断。丁寧に説明し(契約)手続きを取ってもらえるよう進めていきたい」と話した。訴訟が続く間は原告団に加わる音楽教室などには督促しない考えも示した。

著作権問題に詳しい福井健策弁護士は「判決は公衆への演奏という概念を広く捉え、指導や練習も演奏権の対象と判断した。ただ教室での練習を通じて楽曲のファンが広がることもあり、運用を厳格にしすぎると著作権者側にマイナスの影響もありうる」と話した。

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