英、6月末に交渉決裂か判断 EUとの交渉方針公表

2020/2/27 21:45
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【ロンドン=中島裕介】英政府は27日、欧州連合(EU)離脱後のEUとの自由貿易協定(FTA)など将来関係の交渉に関する方針を正式に公表した。6月末までに一定の進展が得られない場合はFTA交渉を事実上決裂させて、関税の急上昇など無秩序な離脱への準備に専念するかどうかを判断する。交渉が順調に進めば、9月までに結論を得る目標も示した。

ジョンソン首相はEUとのFTAなしも辞さない姿勢で交渉に臨む=ロイター

今回の英政府の文書は、ジョンソン英首相が2月初旬の演説で示した交渉方針の概要に沿って詳細をまとめた。EU側も25日に交渉方針を決定済みで、3月2日に初交渉が行われる予定だ。

英政府はこれまでに、離脱の激変緩和のために現状の経済関係が維持される2020年末までの「移行期間」を延長しない方針を表明している。期間内に交渉が妥結できない場合は、急な関税上昇や通関手続きの混乱につながる「FTAなし」の結論もあり得るとの見解も示している。

これに加えて27日公表の文書では、交渉が進展しない場合に6月末の時点で「英国の関心を(EUとの)交渉から遠ざけ、秩序ある状態で移行期間を終了するための国内準備にのみ焦点を当てるべきか決定する」と明記した。「FTAなし」の状態は避けたいのが本音のEUを揺さぶり、有利な条件で早期妥結を図る狙いがあるとみられる。

FTAを巡って英とEUは「関税ゼロ」「関税割当枠なし」を目指す点では一致している。ただEU側は関税ゼロを含むFTAを結ぶには「公正な競争環境」が欠かせないとして、英側にEUの基準やルールに合わせるよう要求する。

EUルールにかかわらず税制や雇用、競争政策などを決める権限を持ちたい英側はこれに反発する。27日の方針では「我々の提案はEUが日本や韓国と結んでいる通商協定に基づいている」と訴え、英国にだけ過剰な要求を突きつけているとの見解を強調した。交渉に臨む英・EUの溝は現段階では広いままだ。英側が度々見せてきた瀬戸際戦術が効果を発揮するかは不透明だ。

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