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3.5万人削減のHSBC、難路のアジア傾斜 かじ取り役未定

2020/2/27 22:00
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【ロンドン=篠崎健太】英金融大手HSBCホールディングスが世界の従業員の15%にあたる約3万5千人の削減を柱とする事業の再構築を急ぐ。低金利や競争激化で欧米での戦線縮小に追い込まれ、創業地・香港をはじめアジアへの「原点回帰」を強める。だが事業再編を率いる経営トップは定まらず、再生への道は険しい。香港の政情不安に新型コロナウイルスの感染拡大も加わり、アジア傾斜戦略の視界は晴れない。

英ロンドンのHSBC本社ビル

「我々の歴史上、最も大幅なリストラと簡素化のひとつになる」。ノエル・クイン暫定最高経営責任者(CEO)は18日発表した新戦略をこう説明する。不振の投資銀行部門を整理し、2022年末までに欧州ではトレーディングなどを縮小して資産規模を35%減らす。米国では支店網を3割削る。アジアを核とする国際商業銀行として生き残る道筋を描いた。

クイン氏は「今の23万5000人から22年に20万人へ近づく」との見通しを示している。約3万5千人の削減規模は事前観測の1万人を上回った。従業員数は00年代前半の水準まで縮む。それでもなお不安は消えない。

HSBCは1865年に香港で発足した「香港上海銀行」が起源で、英系資本の植民地銀行として発展してきた。1992年に英ミッドランド銀行を買収。本社をロンドンに移し、19年末で総資産約300兆円と欧州最大の銀行グループとなった。だが近年は「アジアの銀行」化が進んだ。

融資の利ざやなど純金利収入をみると、19年12月期ではアジアが166億ドル(約1兆8300億円)と全体の55%を占めた。欧州と北米のシェアは計29%で、10年前の半分以下に沈んでいる。米欧の金融危機などを経た投資銀事業の整理や低金利環境、地元勢との競争激化が打撃となった。

19年12月期は欧州事業を中心に73億ドルののれん減損損失を計上。「低金利の見通しや長期的な経済成長率の想定変更を反映した」(イーウェン・スティーブンソン最高財務責任者=CFO)という。HSBCは15年にも最大5万人を削ってアジアに傾斜する戦略を打ち出したが苦境を脱しきれず、改めてアジア傾斜へと追い込まれた形だ。

アジアの中でも目立つのが中国依存だ。19年12月期はアジアの税引き前利益184億ドルの65%が香港で、中国本土を含めると8割に上る。香港は個人金融と企業融資など商業銀行の2事業が柱。大規模デモに揺れたものの、個人間の電子決済サービス「ペイミー」などが順調で増収増益は今のところ崩れていない。

今回、リスク加重ベースの資産規模を1千億ドル減らす目標を掲げており、格付け会社フィッチ・レーティングスは「より高収益地域への投融資を可能にし、(将来の資本)規制変更によるリスク資産額増加の吸収にもつながる」と評価している。

だが足元の新型コロナ問題で、くしくも中国依存のリスクが表面化した形となった。同社は新型コロナ問題が長期化すれば、香港事業で6億ドルの貸倒引当金が追加で必要とみている。19年に繰り返されたデモと中国当局の締め付けで、国際金融センターとしての香港の将来性にも暗雲が漂う。

中国での「外資」としての優位も安泰ではない。かつては中国当局が金融規制を緩めるたびにHSBCが外資として第1陣の認可を得るのが当たり前だったが、中国の金融市場の開放が進み、中国工商銀行や中国中信集団(CITIC)といった中国勢の成長も著しい。競争激化と金融緩和が進み、中国の事業環境は厳しさを増している。

さらに視界を不透明にしているのは、事業再編という投資家との約束を誰が果たすのかみえないことだ。19年8月にジョン・フリント氏が就任約1年半でCEOを退いた。経緯は公にされていないが、構造改革への鈍さが取締役会内で嫌われたためとの見方がある。今回、新戦略をまとめたクイン氏は暫定トップ。新CEOを今夏までに決める予定だが、かじ取り役が定まらないまま再生へ見切り発車を迫られた。

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