韓国、新型コロナが製造業へ打撃 感染拡大で操業不安

2020/2/27 16:51
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韓国では新型コロナウイルスの影響で製造業が伸び悩む(現代自動車の工場)=ロイター

韓国では新型コロナウイルスの影響で製造業が伸び悩む(現代自動車の工場)=ロイター

【ソウル=細川幸太郎】韓国銀行(中央銀行)は27日、2020年の経済成長率見通しを物価変動の影響を除いた実質で2.1%に引き下げると発表した。19年11月の前回予想では2.3%だった。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う生産停止などで製造業が伸び悩むためだ。半導体市況の底打ちを見越した景気回復というシナリオは崩れ、政府は経済下支えへ補正予算の編成を急ぐ。

「感染拡大の影響で第1四半期はマイナス成長の可能性もある」。韓国銀の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁は成長率を下方修正した理由を解説した。3月中に感染拡大のピークを越える前提で予測しており、李総裁は「騒動の沈静化後に消費も輸出も低迷から脱する」との見通しを示した。

ただ民間の経済成長予測はさらに厳しい。米モルガン・スタンレーは20年暦年の成長率を0.4%~1.3%と試算。韓国系の調査会社の多くも1%台後半を見込む。27日には感染者が新たに505人確認され、最大の増加幅を記録。問題の長期化はさらなる経済減速につながりかねない。

韓銀は、韓国国内総生産(GDP)の約4割を占める輸出の伸び率を2.2%から1.9%に引き下げた。2月上旬に中国からの部品供給が滞った自動車メーカー各社が相次ぎ生産停止に追い込まれたことを勘案した。現在は稼働を再開したものの、自動車生産台数が伸び悩めば輸出の低迷は避けられない。

屋台骨の半導体産業も市況が底を打った矢先に出ばなをくじかれた。米アップルがiPhoneの出荷台数を見直すなどスマートフォンの販売不振が広がり、サムスン電子やSKハイニックスの出荷量減少が懸念される。新型コロナウイルスの感染者数は今も急増するなか、従業員の感染による工場停止のリスクも日に日に高まっている。

航空や小売り、サービスといった消費関連産業への影響も深刻だ。中国便の休止や旅行需要の落ち込みでアシアナ航空や格安航空会社(LCC)各社は全従業員向けに無給休業を実施。百貨店などでは感染者が立ち寄ったことで数日間閉店する店舗も相次いでいる。

政府も手をこまぬいているわけではない。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は「政府が可能な手段を総動員して前例のない対策を講じる」と強調し、関係省庁に補正予算の策定を指示した。

28日にも公表予定の予算案には、中小企業への融資枠拡大や税制優遇を盛り込むもよう。政府は15年の中東呼吸器症候群(MERS=マーズ)流行時に、11兆6000億ウォン(約1兆500億円)の補正予算を組んだ。今回の拠出額も10兆ウォンを超えるとの見方が多い。

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