クラシック界の超マルチ音楽家、鈴木優人

2020/3/5 2:00
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斎藤秀雄メモリアル基金賞の贈賞式で記念演奏する鈴木優人(右)(2020年2月3日、東京都千代田区)

斎藤秀雄メモリアル基金賞の贈賞式で記念演奏する鈴木優人(右)(2020年2月3日、東京都千代田区)

指揮者、オルガン奏者、ピアニスト、演出家、プロデューサー、作曲家と、クラシック音楽界で極めて多彩な活動を展開する若手音楽家がいる。鈴木優人(38)だ。日本を代表する古楽オーケストラ「バッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)」創設者で指揮者の鈴木雅明の息子だが、著名な父にも負けない驚異的な才能を発揮している。「僕の中ではどの仕事も分けて考えない。すべて一貫した音楽活動の延長線上にある」と事もなげに語る。

多彩な活動の中でも、近年特に目立つのが指揮者活動だ。2018年にBCJの首席指揮者に就任し、19年はNHK交響楽団の定期公演などで指揮。さらに20年4月からは読売日本交響楽団の指揮者に就任し、5月の定期公演では古楽ではなく、イタリアの現代作曲家ルチアーノ・ベリオの作品も指揮する。20年2月、小澤征爾の師として知られる斎藤秀雄の名を冠した「斎藤秀雄メモリアル基金賞」の指揮者部門を受賞。同賞の選考委員で世界的チェロ奏者の堤剛に「チェロしか弾けない私にとって、うらやましいほどの才能」と言わしめた。

2013年からは、東京都調布市で毎年開催される「調布国際音楽祭」のプロデューサーを務める。2020年は6月14~21日に開催し、20年に生誕250周年を迎えたベートーベンの交響曲全9曲をオーケストラ、室内楽、ピアノ連弾など様々な形態で演奏する公演を企画するなど、ここでも独自性を発揮している。「僕の原点は父から受け継いだバッハ。堅牢(けんろう)な設計がされた音楽を書くバッハは自分の家のようなもの。この伝統を受け継ぎつつ、新たな時代に向け進みたい」。音楽を愚直に追究する姿勢と柔軟な発想があるからこそ、今のマルチな活躍がある。

(岩崎貴行)

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