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19年度の実質成長率は0.3%、20年度は0.2%成長 NEEDS予測

新型肺炎拡大で2四半期連続のマイナス成長に

日本経済新聞社の総合経済データバンク「NEEDS」の日本経済モデルに、内閣府が2月17日に公表した2019年10~12月期の国内総生産(GDP)速報値を織り込んだ予測によると、19年度の実質成長率は0.3%、20年度は0.2%の見通しになった。

20年1~3月期の日本経済は、新型肺炎による中国経済の減速が影響し、2四半期連続のマイナス成長となりそうだ。輸出がマイナス幅を拡大し、個人消費や設備投資といった国内需要も力強さを欠く。4~6月期以降の回復も緩やかなものとなる見込みだ。

実質GDPは前期比1.6%減――19年10~12月期

19年10~12月期の実質GDPは前期比1.6%減(年率換算で6.3%減)と、5四半期ぶりのマイナス成長だった。マイナス幅は前回の消費税率引き上げ時の14年4~6月期(前期比1.9%減)以来の大きさだった。

民間最終消費支出(個人消費)は消費税率の引き上げや天候不順が影響し、前期比2.9%減と落ち込んだ。設備投資や住宅投資も減少した一方、公共投資は堅調だった。輸出は前期比0.1%減と2四半期連続のマイナスだった。国内需要の減少で輸入は同2.6%減となり、外需全体では0.5ポイント成長率を押し上げた。

中国の1~3月期の成長率は3%台に

中国では、新型肺炎の感染拡大による工場の操業停止や春節休暇の延長などが相次ぎ、経済活動に急ブレーキがかかっている。中国の1~3月期の前年同期比成長率は、前期の6.0%から3.4%に減速すると見込む。なお、4~6月期以降は、新型肺炎の悪影響は収束すると想定している。

財務省が2月19日に発表した1月の輸出数量指数は、前年同月比1.6%低下した。輸出の基調は新型肺炎の影響が本格化する前から弱く、1~3月期の輸出は大きく低下するとみている。中国向けを中心に財の輸出が減少するほか、訪日外国人(インバウンド)消費減がサービス輸出を下押しする。GDPベースの実質輸出は前期比3.0%減と、前期の同0.1%減より減少幅が拡大する見通しだ。19年度は前年度比2.1%減となる見込み。

中国での生産活動が正常化する4~6月期以降、GDPベースの日本の輸出は前期比で増加が続くが、米中貿易摩擦の影響が残るため回復は緩やかなものとなりそうだ。20年度は前年度比1.4%増を見込む。

設備投資は省力化投資やIT投資が支える

内閣府公表の機械受注統計では、設備投資の先行指標となる「船舶・電力を除く民需(季節調整値)」は19年10~12月期に前期比2.1%減と、2四半期連続のマイナスだった。20年1~3月期の受注見通しも同5.2%の減少となった。輸出の回復が緩やかなため、20年度以降も製造業のIT(情報技術)関連以外の生産能力増強投資などは減少基調が続きそうだ。一方で、人手不足に対応した省力化投資や次世代通信規格「5G」のスマートフォン向け投資などは底堅く推移すると見込んでいる。19年度の設備投資は前年度比0.2%増、20年度は同0.6%増と予測している。

個人消費の基調は弱い

20年1月以降の消費関連統計は基調の弱さを示すものが目立つ。自動車販売の業界団体が発表した1月の国内新車販売台数(軽自動車含む)は、NEEDS算出の季節調整値で前月比0.3%増とわずかな増加にとどまった。内閣府公表の景気ウオッチャー調査では、1月の家計動向関連の現状判断DIは前月から改善したものの、新型肺炎に対する懸念もあって先行きDIは低下しており、足元で消費者マインドは悪化が懸念される。

実質個人消費は20年1~3月期以降は四半期ベースでは緩やかな増加が続くものの、19年度は前年度比0.3%減となる見込み。20年度は19年度後半の落ち込みが響き、同0.0%増と横ばいになる。

なお、今回のNEEDS予測は、日本経済研究センターが20年2月に公表した短期予測をベースにしている。

(日本経済研究センター 山崎理絵子、デジタル事業 情報サービスユニット 渡部肇)

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