埼玉の市町村、9割で外国人転入超過 県北部でも増加

2020/2/26 19:57
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埼玉県で外国人の転入が増加している。総務省の2019年の人口移動報告によると、県内63市町村のうち9割の56市町で、転入者が転出者を上回る「転入超過」となった。東京都心へのアクセスが良い川口市、さいたま市など県南部が多い一方で、工業団地のある加須市など県北部も転入が増えている。人手不足のなか、労働力としての外国人のニーズが高まっているとみられる。

越谷市では国際交流を通じて、異文化理解を深めている

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埼玉県の外国人の転入超過数は8691人で、全国で最も多かった。以下、神奈川県の5758人、北海道の2162人などと続く。東京都は3593人の転出超過で、千葉県も7649人の「出超」だった。

埼玉県内の市町村で転入超過が最も多いのは、川口市の1759人。19年6月末の在留外国人数は3万7855人で、全国3位だった。東京都心に近いうえに工場も多く、中国人などのコミュニティーが形成されているなど、外国人にとって住みやすい環境が整っている。

都心へのアクセスが良い南部の市が上位に並ぶ。2位のさいたま市は764人と前年より180人以上増えた。3位の草加市は617人で、日本人を含む全体の転入超過の4割を占めた。

越谷市は491人。近年はベトナム国籍の住民が増え、20年1月時点の国籍別人口では832人と、13年から13倍近く増加した。在留資格別では永住者のほか、技能実習生や留学者も増えているという。

工業団地を多く抱える県北部も転入超過が目立つ。久喜市は349人で、日本人の323人の転出超過を補った。加須市は268人で、日本人の58人を大きく上回った。企業が外国人技能実習生らを多く受け入れているとみられる。

埼玉労働局によると、県内の外国人労働者数は19年10月末時点で、前年比16%増の7万5825人。外国人雇用の届け出が義務化された07年以降、過去最高を更新した。19年4月に新たな在留資格「特定技能」が創設され、外国人雇用に前向きな事業者が増えている。

一方、転出超過となったのは坂戸市(274人)、長瀞町(169人)など6市町村。人口移動報告は国内での移動のみ集計しており、海外からの転入者は含めない。このため、転入にカウントされなくても、実際には外国人を多く受け入れているケースもある。

その代表例が越生町だ。転出超過数は最多の754人だったが、19年にベトナムや中国など海外から約830人を受け入れた。外国人技能実習制度で受け入れた技能実習生は日本入国後に1カ月間、日本語や生活知識を学ぶ講習を受ける必要がある。越生町には「埼玉日本語研修センター」があり、ここで講習を受けた外国人が全国各地の職場に移動したことが、転出者の多さに表れている。

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