高松のゴーフィールド、脱「ブラックIT」で人材確保

2020/2/26 19:44
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ゴーフィールドでは子連れ出勤を推奨、働きやすい環境を整える

ゴーフィールドでは子連れ出勤を推奨、働きやすい環境を整える

ウェブ制作のゴーフィールド(高松市)は香川県が認定する「かがわ働き方改革推進大賞最優秀賞」を受賞した。従業員の急な休みにも対応できるグループ単位での業務やテレワークの導入が評価された。かつては退職者の多い企業だったが、働きやすい環境の整備に力を入れた結果、人材確保につながった。

創業は2000年。「いわゆるブラック企業でしたね」。森田桂治会長は創業当初を振り返る。森田会長が会社を離れるのは午前3時を過ぎるのが当たり前、他の従業員も帰りにくい雰囲気で「10年で60人は辞めていった」という。

東京、大阪にも事業所を開き、中国に関連会社をつくるなど業績は着実に伸びていく。「創業期のIT(情報技術)企業はとにかく働くしかない。働きやすさは考えていなかった」と話す。

ゴーフィールド(左は森田会長)は、かがわ働き方改革推進大賞で最優秀賞を受賞した(13日、高松市)

ゴーフィールド(左は森田会長)は、かがわ働き方改革推進大賞で最優秀賞を受賞した(13日、高松市)

転機は08年。中国事業でシステムトラブルに見舞われたため、撤退を余儀なくされた。これを機に、香川県内の顧客と長期的な関係を築く方針に切り替えた。地元回帰の戦略を進めるため、地元の人が働きやすい環境づくりに腐心した。

取り組みの一つがグループ単位での仕事の共有だ。従来、顧客とのメールは担当者と取引先の相対でやりとりしていた。11年ごろからグループ全体での共有を始め、急な欠員がでても対応できる体制にした。

19年からはテレワークを導入。結婚を機に岡山へ引っ越した従業員が働き続けられるよう、制度設計を進めた。1日に4人ほどがテレワークを活用する。子連れ出勤も推奨し、19年の夏休みには5家族が利用した。

外出先でも業務を進めることができる仕組み作りも進めた。クラウドを活用してスマートフォンからの作業を可能にし、移動時間の削減や業務の効率化を進めた。

働き方の改善は人材確保につながる。評判を聞きつけ1年で3人が入社。出産を経て職場に復帰する従業員も多く、現場からは「制度を利用しやすい」という声も。「優秀な人材を集めるためには働きやすさのPRが大切」(森田氏)。

取り組みが実を結び、17年度には高松市が「素敵にたかまつ女性活躍企業」として認定。かがわ働き方改革推進大賞は18年度に始まり、応募企業の中から長時間労働の抑制など優れた成果を収めた事業所が選ばれる。

「30人ほどの会社なので、トップダウンでやろうと思えばすぐにできたと思う。しかし、働き方改革はボトムアップで従業員が進めてくれた」と森田会長は話す。テレワークなど現場発の取り組みだからこそ、利用しやすい制度設計につながっている。(桜木浩己)

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