入国拒否、感染者の人口比で判断 出入国管理法も適用
政府の新型コロナ対応

2020/2/27 2:00
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新型コロナウイルス感染症対策本部の会合で発言する安倍首相(26日、首相官邸)

新型コロナウイルス感染症対策本部の会合で発言する安倍首相(26日、首相官邸)

政府は26日、新型コロナウイルス感染防止に向け、韓国の大邱(テグ)市と慶尚北道の一部地域からの入国を拒否する方針を決定した。対象国を中国以外に広げるのは初めて。判断の背景には、人口あたりの感染者数などの「科学的な根拠」と「法的な根拠」の2点がある。

政府の新型コロナウイルス感染症対策本部は26日、入国申請前の14日以内に韓国の大邱市と慶尚北道清道郡に滞在歴のある外国人は特段の理由がない限り、入国を拒否する方針を決めた。27日午前0時から措置を始める。中国湖北、浙江両省と同様の措置となる。

韓国国内では新興宗教団体「新天地イエス教会」の大邱市内の教会で起きた集団感染が周辺地域に拡散している。外務省は25日、大邱市と慶尚北道清道郡の感染症危険情報について、不要不急の渡航中止を促すレベル2に引き上げた。

政府は人口あたりの感染者数を入国拒否を判断する材料のひとつに位置づける。大邱は人口約250万人。感染者が26日時点で計677人で1万人あたりの感染者は2.7人程度の計算となる。

中国湖北省は入国拒否を決めた1月31日時点で感染者が約5800人で、1万人あたりほぼ1人の割合だった。同様に浙江省は2月12日時点で感染者が約1130人と1万人あたり0.2人程度だった。

米国やオーストラリア、フィリピンなどは中国内の地域を限定せず、全土を対象に入国を拒否する措置を取っている。イスラエルは日韓両国に14日間滞在した外国人の入国を拒否している。韓国政府は大邱市などを「感染症特別管理地域」に指定し、医療や防疫の人員を集中投下する態勢を取る。日本の入国拒否措置はこうした相手国側の対応も判断材料にした。

自民党の新型コロナウイルス関連肺炎対策本部の会合では「中国本土からの渡航を全面禁止にすべきだ」との意見が出ている。感染拡大に対する国民の不安を踏まえた。一方、政府関係者は「あくまで科学的に判断する。政治的な話ではない」と語る。

入国拒否の拡大に慎重な背景には、法的根拠をテロリストなどを想定した出入国管理法5条1項14号としている事情もある。同条項は「日本の利益や公安を害する恐れがあると認められる相当の理由のある者」と対象を定める。26日も国家安全保障会議(NSC)は持ち回りの緊急事態大臣会合を開き、韓国からの入国拒否を安全保障上の問題として対応した。

安倍晋三首相は26日の対策本部で「水際対策については国内への感染者の急激な流入を防止する観点から、現行の入国制限や渡航禁止勧告などは引き続き実施する」と述べた。菅義偉官房長官は記者会見で「適切な水際対策のあり方を不断に検討している」と強調した。

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