栃木・那須塩原のメガソーラー、建設反対で2市連携

2020/2/26 17:39
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栃木県那須塩原市でNTTファシリティーズが建設する予定の大規模太陽光発電所(メガソーラー)を巡り、同市と同県大田原市が協調して建設撤回を要望することになった。今後の県北地域のまちづくりを見据え、隣接する両市が連携して地権者と同社に土地の有効活用を求める。ただ、互いの主張は平行線をたどっており、両市は打開策を見いだせていない。

メガソーラーの建設予定地はJR那須塩原駅から約1キロメートルの場所にある(栃木県那須塩原市)

メガソーラーの建設予定地はJR那須塩原駅から約1キロメートルの場所にある(栃木県那須塩原市)

「2市で事業者を直接訪ね、県北地域の思いを伝えたい」。那須塩原市の渡辺美知太郎市長は21日、大田原市の津久井富雄市長と共同で記者会見し、訴えた。2019年末にもNTTファシリティーズを訪ね、建設中止の要望書を提出したが、両市長が改めて要請する。

メガソーラーの建設予定地はブリヂストンの工場跡地で、広さは約35万平方メートル。東北新幹線の停車駅でもあるJR那須塩原駅から約1キロメートルの場所で、県道53号に接する。NTTファシリティーズは15年、地権者と土地の賃貸借契約を結び、着工の準備を進めていた。

記者会見する那須塩原市の渡辺市長(左)と大田原市の津久井市長(21日、栃木県那須塩原市役所)

記者会見する那須塩原市の渡辺市長(左)と大田原市の津久井市長(21日、栃木県那須塩原市役所)

事態が動いたのは19年11月だった。同4月に駅周辺のまちづくりビジョン策定を公約に掲げた渡辺氏が那須塩原市長選で初当選したのを受け、市の自治会長連絡協議会が工場跡地の有効活用を求める要望書を同11月に提出。同12月には商工団体も続き、市が同社に建設中止を求めた。

20年2月には市の有識者会議が那須塩原駅周辺のまちづくりに関する報告書を取りまとめ、スマートシティーやコンベンション施設の整備、国の中央省庁の一部移転などを提案した。市は報告書をもとに20年度中にビジョンを策定する考えで、メガソーラーの建設撤回はビジョン実現のために不可欠だ。

ただ、地権者は「適法な事業計画に、なぜ市が異論を挟むのか理解しがたい」とし、28日までに中止要請を撤回するよう求めるなど市と真っ向から対立している。渡辺市長は「道路や公共施設の整備で私有地の収用は一般的なこと。本格着工の前に決着をつけたい」とするが、要望活動以外に打つ手は乏しいのが現状だ。大田原市と協調してどのような打開策を打ち出すのか。今後の動向に注目が集まる。(宇都宮支局 上月直之)

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