サンダース氏に包囲網 米民主討論会、政策に批判集中

2020/2/26 16:59
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24日、米サウスカロライナ州で演説するバーニー・サンダース上院議員=AP

24日、米サウスカロライナ州で演説するバーニー・サンダース上院議員=AP

【ワシントン=永沢毅】米民主党は25日、11月の大統領選に向けた候補指名争いの第4戦となる南部サウスカロライナ州でテレビ討論会を開催した。首位に立つ左派のサンダース上院議員(78)の勢いをそごうと、バイデン前副大統領(77)ら穏健派の候補はサンダース氏の内政・外交政策を幅広く追及。29日の同州予備選前の最後の討論会は激しい応酬となった。

最も厳しい批判にさらされたのは、サンダース氏が目玉政策として掲げる、巨額の財源を要する国民皆保険だ。財源に関して問われると「どのくらい話す時間があるのか?」とかわして詳細な説明を回避。穏健派のブティジェッジ前インディアナ州サウスベンド市長(38)は「そんなに時間はかからない」と曖昧さを攻撃した。同じ穏健派クロブシャー上院議員(59)も「耳に聞こえはいいが、約束は破られる」と実現性がないと畳みかけた。

バイデン氏は、サンダース氏が過去に銃規制の強化に逆行する投票行動をした点を問題視。サンダース氏は「誤った投票だった」と認めた。

外交政策もやり玉にあがった。23日のテレビ番組でキューバ革命の指導者、故フィデル・カストロ元議長を擁護するかのような発言したのを問われたサンダース氏は「私は独裁政権には反対だ」と釈明。「オバマ前大統領も『キューバは教育問題で進歩している』と語っていた」と主張した。

オバマ前政権で副大統領を務めたバイデン氏は「オバマ氏はキューバの政権を肯定的に語ったことはない」と反論。ブティジェッジ氏が「サンダース氏は1960年代の革命思想の郷愁にとらわれている」と冷戦の思想から脱却するよう主張すると、サンダース氏は「国民皆保険が共産党の極端な思想なのか」などと切り返した。

サンダース氏はテレビ番組で、カストロ元議長が識字率の向上に取り組んだ点などに触れ「すべてが悪いというのは不公平だ」と語っている。大統領選を左右する激戦州の南部フロリダには亡命キューバ人が多数おり、党内にはサンダース氏の発言で「フロリダを落とすことになる」との懸念が浮上している。

サンダース氏が指名を獲得すれば、大統領選と同時にある上下両院の連邦議員選にも影響が及びかねないと懸念する声もあった。ブルームバーグ氏(78)は「大統領選だけでなく共和党が上下両院を制し、破滅的な状況が20、30年続くことになる」と警鐘を鳴らした。

サウスカロライナでは世論調査で首位に立つバイデン氏が優位に戦いを進めるが、2位のサンダース氏が猛追している。3月3日に序盤の天王山となるスーパーチューズデーを控えてサンダース氏に3連勝を許せば独走態勢になりかねないため、各候補は包囲網づくりに腐心した形だ。米紙ワシントン・ポストは討論会の敗者の1人にサンダース氏をあげたが、同氏の勢いを食い止められるかは不透明だ。

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