名古屋の百貨店、化粧品商戦本格化 新型コロナで暗雲

2020/2/26 19:30
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名古屋市内の百貨店が化粧品商戦に力を入れている。JR名古屋高島屋は26日、開業20周年の記念式典を開き、初めての化粧品の大規模リニューアルを実施した。化粧品は訪日外国人(インバウンド)や女性客の人気が高いうえ、春は新生活のスタートを控えた書き入れ時。だが、新型コロナウイルスの感染拡大で客足は遠のき、影響は避けられなさそうだ。

JR名古屋高島屋はモデルの鈴木ちなみさん(左から2人目)らを招き20周年の記念セレモニーを開いた

JR名古屋高島屋は全国の百貨店で初めてバーチャルメークを体験できる機器を導入した(名古屋市中村区)

JR名古屋高島屋は26日、新たな化粧品フロアをオープンした。売り場を3階から1、4、5、6階に広げ、面積は改装前の約2倍に拡大。東海地区初登場を含めて取り扱いブランドは76種類と、1.5倍に増やした。2019年8月から半年間かけ、大規模改装を進めてきた。

鏡の前に座り、肌の分析やバーチャルメークを体験できるパナソニック製の最新機器「スノービューティーミラー」を全国の百貨店で初めて導入したほか、複数ブランドの化粧品を自由に試せるスペースを設けた。

同じ名古屋駅前の名鉄百貨店では19年10月、1階の入り口付近に化粧品ブランド「M・A・C」の店舗をオープン。1階に化粧品を展開するのは約10年ぶりだ。名古屋三越栄店は26日、1階に化粧品「トム フォード ビューティ」を開業。ともに若者や訪日客を誘い込み、集客力のアップにつなげる。

狙いは消費力の高いインバウンドや女性客の取り込みだ。JR名古屋高島屋の18年度の化粧品売上高は開業時に比べ7倍に増えた。SNS(交流サイト)のインスタグラムなどの流行を背景に、感度の高い女性客も目立つ。松坂屋名古屋店では19年10月の消費増税後、売上高全体は減少したものの、化粧品は堅調だという。

だが、新型コロナウイルスの影響は深刻だ。化粧品は対面販売がメーンで、特にリアル店舗の百貨店では実際に客の肌に触れてメークを施す「タッチアップ」が売り。今回の感染拡大で資生堂花王などタッチアップを自粛するブランドが相次ぐほか、販売員のマスク着用も避けられない。

大丸松坂屋百貨店によると、2月の全国売上高(13日時点)は前年同月比21%減、免税売上高は66%減だった。JR名古屋高島屋とタカシマヤゲートタワーモールを合わせた売上高は16日時点で6%のマイナス。インバウンドの減少に加え、国内の外出控えも響く。

三菱UFJリサーチ&コンサルティングの塚田裕昭主任研究員は「高額品やぜいたく品を扱う百貨店が1番影響を受けやすい」と話す。春は新生活のスタートに加え、店舗やブランドの入れ替えが加速する繁忙期。売上高の増加が期待できる時期に新型コロナが重なった。百貨店の春はまだ遠そうだ。(林咲希)

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