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GPIF、運用資産すべてESG考慮(投信観測所)

2020/3/3 12:00
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環境・社会・企業統治への取り組みを重視する「ESG投資」が広がり、個人でも手軽に購入できる投資信託などの金融商品が増えてきた。日本でESG投資が注目を浴びるようになった一因は、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が2017年からESG指数に連動する投資を始めたこと。ESGへの取り組みや投資家責任などについて、GPIF投資戦略部の塩村賢史次長に話を聞いた。

■世代をまたぐ投資、ESG課題を無視できず

――GPIFがESG投資に取り組むわけは。

GPIF投資戦略部の塩村賢史次長

GPIF投資戦略部の塩村賢史次長

「GPIFの仕事は年金積立金を運用し、未来の現役世代の保険料負担を軽くすることです。そのためには50年先、100年先を見据え、世代をまたぐ超長期の投資で安定した収益を上げなければいけません。将来にわたって安定したリターンを得るには、金融資本市場の長期的な発展と持続的な経済成長が不可欠です。そのためにも環境・社会問題が市場や実体経済に及ぼす負のリスクは無視できません。GPIFの使命とESGの取り組みを切り離して考えることはできないのです」

――具体的にどのような運用をしていますか。

「ESG指数に連動した運用資産は2019年3月末時点で3.5兆円あります。国内株式を対象にしたESG指数連動のパッシブ運用を17年に始め、18年には海外株式を対象にした指数を追加で採用しました。指数会社やESG評価会社には、透明性と中立性を確保するために指数構築のルールや評価方法の公開を求めています。それを糸口にして、指数会社や評価会社とコンタクトをとる企業が増えてきました。企業の積極的な情報開示やESG課題への取り組み強化につながっていくことが期待されます」

■160兆円の運用資産、すべてESGを考慮

――指数連動以外の運用は。

「ESGを考慮した投資は、指数連動部分だけではありません。広い意味では、GPIFが運用する160兆円すべてにESGの概念が組み込まれていると言えます。GPIFは株式や債券などでの運用のほとんどを外部の運用会社に委託していますが、委託先の評価基準の一部にESGの視点を取り入れ、ESGの考え方を組み込んだ投資や投資先企業との建設的な対話(エンゲージメント)に前向きな運用会社を選んでいるからです」

「2018年からは新たな取り組みとして、日本株のパッシブ運用において、妥当性のあるエンゲージメント強化策を打ち出した運用会社に管理運用委託手数料を上乗せする仕組みをスタートさせました。投資先のESG課題に対してどう取り組むかの計画書を提出してもらい、アプローチ方法、進捗状況などをヒアリングして評価しています」

■課題抱える企業にも投資、運用会社を通じて対話

――環境負荷の大きい企業の株式や債券にも投資はするのですか。

「ESGの観点で課題を抱える企業などに投資しない『ダイベストメント(投資撤退)』という手法もありますが、資金を引き揚げてしまうと対話の機会がなくなり、課題を放置することになります。GPIFは『責任ある投資家』としての立場から、運用会社を通じて課題解決に向け企業と建設的に話し合うエンゲージメントを重視しています」

――ESG投資がリターン向上に結びつかないという意見もあります。

「ESG投資の効果が運用成績に表れてくるのには時間がかかります。パフォーマンスの評価・分析方法もまだ確立されていません。それでもESG投資の広がりと課題への取り組み強化のサイクルがうまく循環していけば、長い目で見て安定的かつ効率的な収益の獲得に結び付いていくと考えています」

「日本におけるESG投資はまだ黎明(れいめい)期で、初期のエンゲージメントがようやく始まった段階です。いろんな意見がありますが、ESGは単なる一過性のテーマではなく、長期投資に欠かせない概念であると考えています。GPIFが取り入れているESG投資は、長期で資産形成に取り組む個人も共有しやすい理念だと思っています」

(QUICK資産運用研究所 望月瑞希)

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