新型コロナ、欧州・中東でも感染拡大 経済に打撃必至

2020/2/25 22:30
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新型コロナウイルスの感染が世界的に急拡大している。韓国の感染者が900人を超えたほか、イタリア、イランなど欧州・中東でも感染が広がる。周辺国は警戒を強めており、国境を越えたヒトやモノの行き来がアジア以外でも滞るリスクが高まってきた。発生源となった中国は新規感染者数が縮小傾向にあると強調するが、当局による公表基準変更への不信感もくすぶる。

韓国政府は25日、新型コロナウイルスの感染者が新たに144人確認され、計977人になったと発表した。クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客・乗員の感染者(約700人)を含めた場合の日本の感染者数を上回り、死者は2人増えて計10人となった。

文在寅(ムン・ジェイン)大統領は同日、感染者が急増している大邱(テグ)市役所の対策会議に出席し「政府は利用可能な資源をすべて動員し、事態を速やかに沈静化させる」と強調、緊急対策を含む補正予算案を編成すると表明した。

感染者が増える大邱市の対策会議に出席する文在寅大統領(左)(25日、韓国・大邱)=聯合・AP

感染者が増える大邱市の対策会議に出席する文在寅大統領(左)(25日、韓国・大邱)=聯合・AP

大邱では新興宗教団体「新天地イエス教会」で集団感染が発生。教会に絡む感染者だけで500人を超え、全体の6割近くを占める。政府は教会に対し信者の名簿を提出するよう求めているほか、連絡の取れない信者の所在を突き止めるため、600人余りの警察官も動員した。

日本外務省は25日、大邱市と慶尚北道清道郡の感染症危険情報を、不要不急の渡航中止を促すレベル2に引き上げた。米疾病対策センター(CDC)も、韓国への渡航情報を最高レベルの「警告」に引き上げた。

イタリアでは21日に38歳の男性の感染が判明した後、わずか数日で感染が一気に広がった。当局によると最新の感染者は283人となり、7人が死亡した。

感染者の大半は経済都市ミラノを含むロンバルディア州やベネト州など北部に集中している。両州だけで国内総生産(GDP)の約3分の1を占めるほか、イタリアは観光収入への依存度も高いだけに、経済に深刻な打撃が予想される。

周辺国も警戒を強めている。フランスは感染に対応する病院を約3倍に増やし、ルーマニアはイタリア北部から入国する人への検疫を義務付けた。欧州連合(EU)は域内の移動の自由を原則保障しているが、感染がさらに拡大すれば国境管理の厳格化や渡航制限につながる可能性もある。

イランでも感染者数は95人に拡大し、死者は16人に上った。イスラム教シーア派の聖地として各国から信者が訪れる中部コム州で感染が広がっており、トルコやパキスタンなど隣国は国境を一時閉鎖した。

一方、新型コロナウイルスの発生源となった中国では25日午前0時時点の感染者数が7万7658人と前日から508人増えた。これまでは毎日数千人規模で新規の感染者が増えていたが、ここ数日の増加幅は縮小しており、地域別でも上海や天津、浙江省など多くの都市でゼロとなった。

中国当局は感染者の算出基準を頻繁に変更している。13日には従来の検査方法より簡易的な臨床診断も感染者数に含めることを決定。新基準に基づく12日の新規感染者数は1万4000人超と、前日の2000人超から跳ね上がった。

だが18日に再び基準を修正し、肺炎の症状がみられるが検査では陰性だった患者を感染者から外したことで、19日以降は再び感染者が数百人規模に急減している。中国のネット上では「感染者数を都合のいいように操作しているのでは」との不信感も広がっている。

(ソウル=恩地洋介、ジュネーブ=細川倫太郎、上海=松田直樹)

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