二光製作所 板金の溶接・複合加工 航空機産業参入へ国際認証
(埼の強み)

2020/2/25 20:00
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精密板金加工の二光製作所(さいたま市)は、医療機器や両替釣り銭機、船舶、防衛関連機器など幅広い分野の部品加工を担っている。金属をプレスしたり曲げたりする板金加工、切削する機械加工、接合する溶接を組み合わせた複合加工ができる強みを持つ。徹底した品質管理で航空宇宙産業の国際認証を取得し、航空機関連産業への参入を目指す。

溶接技術に強みを持つ

同社は、大型機械をそろえる福島県平田村の工場で主に板金加工、さいたま市の本社工場で機械加工や組み立ての工程を担う。船舶レーダーや河川水位計など、同社が受注する部品は高い強度が求められる。部品の設計から加工、組み立てまで一貫して請け負えるのが特徴だ。2019年6月期の売上高は約18億円。品質管理を徹底し、多品種少量の受注を増やしてきた。

各工程の中でも、特に「溶接技術はどこにも負けない」と坂口吉昭社長は自負する。溶接はわずかな温度変化でもひずみが生じるほど難易度が高く、製品の強度にも影響する重要な工程だ。

19年秋、航空・宇宙産業の製造工程の国際認証規格「Nadcap(ナドキャップ)」を、溶接部門で取得した。航空機部品は高い安全性が求められ、米ボーイングや欧州エアバスなどの完成機メーカーが部品を発注する際に、この認証の取得を義務付けることが多い。

きっかけは6年ほど前、坂口社長が海外の航空関連メーカーを訪問した際、相手の社長から開口一番「ナドキャップは持っているか?」と聞かれて、早々に席を立たれてしまった。

帰国後、すぐに認証取得の準備に取りかかった。膨大な資料や審査項目の翻訳から始まり、基準を満たすために工場内の環境整備など約3000万円を投資。製品の検査から用具の洗浄・管理に至るまでの細かい作業手順書を作成し、社員もみっちり教育して認証取得にこぎ着けた。

「設備はお金で買える。企業は人が全て」。創業から67年、同社の高い技術と品質管理を支えてきたのが人材育成だ。社員は公的機関や大手企業の研修を、70種類以上から選んで受講できる。日本規格協会の品質管理検定の受験も奨励し、今では6割を超える社員が3級以上に合格した。

「これから日本のものづくりが世界で戦えるとしたら品質だ。品質に尽きる」と坂口社長は繰り返す。認証取得を機に、今後は航空機の中でも品質基準が厳しい搭載品関連の受注を目指す。

(藤田このり)

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