新型コロナ長野県で初の発症 国内出張も見直し急ぐ

2020/2/25 19:55
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長野県は25日、県内で初めて新型コロナウイルスの感染者が確認されたと発表した。同日朝に松本保健所管内(松本市、安曇野市、塩尻市と周辺5村)在住の60代男性1人から陽性反応が確認された。男性は会社役員。県によれば、14~17日に北海道、17~19日に東京都に出張していたという。県内企業では国内出張を見直す動きもある。

新型コロナの感染者発生を受けて会見する阿部知事

新型コロナの感染者発生を受けて会見する阿部知事

県によると男性は20日に短時間出勤し、倦怠(けんたい)感を覚えた。翌21日に37~38度台の熱が出たため松本保健所管内の医療機関を受診。その後松本保健所へ相談し、24日から県内の感染症指定医療機関に入院中。重症ではなく、会話や食事ができる状態という。本人の申告によれば、発症前の2週間以内に海外への渡航歴はなかった。

出張中は単独行動していたとみられ、県によればマスクをしていたという。長野県は「県外で感染をした可能性が高い」(阿部守一知事)とする一方、出張前に感染した可能性も否定できないとみる。北海道や東京で人が集まる場所を訪れたかなど今後調べるという。

県は現在、男性の家族や会社に濃厚接触者がいるか確認を進めており、二次感染を防ぐための対応をとるとしている。

長野県では新型コロナウイルスの検査を25日までに約40件実施しているが、感染の確認は初めて。相談は25日朝までに約2600件寄せられている。阿部知事は25日の記者会見で「高齢者や持病を持つ人は重症化しやすいため、不要不急の集まりや人混みを避けて頂きたい」と県民に訴えた。

長野県松本市は25日、対策本部を設置。同市の菅谷昭市長は「大規模感染の状況ではない」と市民に冷静な対応を呼びかけた。対策本部は26日朝に初会合を開き、感染拡大を防ぐ予防や啓発活動の強化などを協議する。長野市の加藤久雄市長は25日「市内でいつ感染者が出てもおかしくない状況。経済への影響も懸念される」との危機感をあらわにした。

今回の男性は国内出張中の感染の可能性があり、県内企業では警戒感を強めている。県北部の機械メーカーは移動に公共交通機関を使わないよう社員に指示した。「自社の工場が止まった場合のダメージが大きい」(同社社長)ため、遠方などの視察の受け入れは全てキャンセルするという。同メーカーの社長自身は3月下旬ごろまでの出張などスケジュールを見直し「経営者同士の会合など、人が集まる所には行かない」と話す。

キッセイ薬品工業は中国への出張を完全に禁止し、その他の海外についても原則禁止とした。さらに、国内についても出張を極力控えるように指示し、ネットやテレビ会議の活用を促している。

セイコーエプソンも不要不急の国内出張を控え、テレビ会議などの利用を進める。東京など都市部の拠点の社員には状況に応じて時差出勤を活用するよう伝えているという。

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