発熱の社員に休暇勧奨を 政府、新型コロナで基本方針

2020/2/25 17:38
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新型コロナウイルス感染症対策本部の会合で基本方針の策定を明らかにする安倍首相(25日、首相官邸)

新型コロナウイルス感染症対策本部の会合で基本方針の策定を明らかにする安倍首相(25日、首相官邸)

政府は25日、新型コロナウイルス対策の基本方針を公表した。基本方針では企業に対し、発熱などの風邪症状がある社員には休暇の取得を勧めるよう強く呼びかけた。イベントなどの開催については全国一律の自粛要請はせず、各地域や企業が感染の広がりや会場の状況などを踏まえ、開催の必要性を改めて検討することを要請。いずれも基準は示さず、企業や自治体に判断を委ねた。

現在、政府は37.5度以上の発熱や風邪のような症状が4日以上続いた場合などの「相談・受診の目安」を作成。感染を疑った場合に「帰国者・接触者相談センター」に電話して専門外来を受診する必要があるか相談するよう求めている。

今回示した基本方針では、社員に「発熱などの風邪症状」があった場合、休暇の取得を勧奨することを企業に呼びかけた。ただ、「相談・受診の目安」のような体温などの基準は示さなかった。

災害などで出社できない社員が多数に上っても企業活動を継続する「事業継続計画」(BCP)を立てる企業が増えている。だが「発熱などの風邪症状」で休暇を取得する社員が多くなり、BCPの想定を上回ると、最低限の企業活動にも影響が出る恐れがある。

イベント開催についても「感染リスク」と「開催の必要性」のバランスで判断するよう要請。特に「感染リスク」については企業が責任をもって判断することは難しく、開催自粛の動きがさらに広がる可能性がある。

現在の感染状況について基本方針では「感染経路が明らかではない患者が散発的に発生している」とする一方、「まだ大規模な感染拡大が認められている地域があるわけではない」と指摘。流行を早期に終息させるために現状の対策は続けていく。

今後、患者数が継続的に増えていく地域では、入院治療が必要な重症の肺炎患者に特化してウイルス検査をして、軽症者は確定診断をせずに自宅療養をしてもらう。判明した感染者の周囲には広く外出自粛を求め、感染拡大のスピードを抑える。

さらに患者数が継続的に増えていく地域では重症者に焦点を当てた対策に切り替える。切り替えのタイミングは厚生労働省が基準を示し、自治体と厚労省が協議の上で判断する。

加藤勝信厚生労働相は、24日時点で30人の感染者が各地で見つかっている北海道が今後対象になる可能性を示した。

切り替え後は原則、ウイルス検査は無症状や軽症の人には実施しない。感染が強く疑われる場合でも自宅で安静にしてもらう。

ウイルス検査の対象を絞るのは、検査能力に限界があるからだ。現在、全国で1日当たり約3800件。ただし、国立感染症研究所や各地の地方衛生研究所、民間の検査機関などに理想的に検体が集まったときの数字で、実現するのは難しい。

調査自体を縮小する代わりに患者と一定の関わりがあった周囲の人に不要不急の外出をしないよう広く呼びかける。自粛の対象者は個別の事案ごとに自治体が判断する見込みだ。

厚労省が最も恐れている事態は感染の拡大に伴い、重症患者が急増することだ。

現在、感染症の対応ができる病床の多くは集団感染が起きたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で感染した患者などで多くを占められている。

ほかの患者や医療従事者に感染させないように別室などで治療する必要もある。重症患者を治療する集中治療室(ICU)は全国でも限りがあるうえ、大部屋になっていることが多く、感染した患者を入室させると、ほかの重症患者が治療できなくなってしまう。

こうした事態も想定し、政府は基本方針で「集中治療を要する重症者を優先的に受け入れる医療機関」を例示し、対応の検討を始めている。

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