香港、学校休校4月19日まで延長 新型コロナ 異例の長期に
【香港=木原雄士】香港政府は25日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、すべての幼稚園や小中高校の休校期間を4月19日まで延ばすと発表した。政府は1月末の春節(旧正月)に伴う休暇を繰り返し延長しており、休校が3カ月近く続く異例の事態になる。昨年の大学を舞台にした抗議活動に続き、教育現場に混乱が広がっている。
香港の感染者は25日時点で84人。感染者の流入を食い止めるため、中国本土との主要な境界を閉鎖したものの域内で感染拡大が続いている。政府は当初、春節休暇を2月半ばまで2週間延長。その後、3月初め、3月半ばと休校の期間を延ばしてきた。
今回は3月以降に予定していた大学入試の一部延期も決めた。試験場での感染を防ぐため、受験生にマスクを配る措置も始める。50万枚のマスクを用意する計画だ。
香港では昨年6月に始まった大規模デモの影響で主要な大学がキャンパスでの講義を取りやめ、オンラインでの授業に移行した。年明けには一部で授業を再開する動きが出ていたが、新型コロナウイルスの影響で、再び対面で授業ができない状態に陥った。小中高を含む教育現場の苦境が深まり、子どもを持つ日本人駐在員の家族の帰国も相次ぐ。
学校以外でも公務員や多くの企業が在宅勤務を取り入れ、香港ディズニーランドなど観光施設の休業も続く。香港政府は25日から感染が広がる韓国からの入境拒否を始めた。ホテルやレストランの売り上げ減など経済への打撃が深刻になっている。