台湾の蔡英文総統、新型コロナ対応で支持急上昇
厳しい対中措置に評価

2020/2/25 16:54
保存
共有
印刷
その他

台湾の蔡英文総統は新型肺炎対策で中国に厳しい態度を打ち出している(7日、台北市)=ロイター

台湾の蔡英文総統は新型肺炎対策で中国に厳しい態度を打ち出している(7日、台北市)=ロイター

【台北=伊原健作】台湾の蔡英文(ツァイ・インウェン)総統が、新型コロナウイルスへの対策を契機に支持を高めている。直近の世論調査での支持率は68.5%と、2016年の就任時以来の水準となった。早期に中国からの入境を制限するなど厳しい措置を徹底し、感染拡大を食い止めていると評価された。ただ日韓からの渡航者の行動制限などは今後、経済の足かせになる可能性がある。

大手シンクタンク・台湾民意基金会が24日に発表した世論調査では、蔡氏の支持率は総統選で再選された1月からさらに約12ポイント上昇し、68.5%となった。就任直後の16年5月(69.9%)以来の高い水準だ。

台湾の感染者数は25日時点で31人にとどまる。蔡政権が新型コロナの「感染拡大を有効にコントロールできると信じる」とした比率は85.6%に上った。

蔡政権は1月15日に新型コロナを検疫時に隔離措置を可能とする「指定感染症」といち早く定め、2月6日からは中国本土住民の入境を原則拒否した。03年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)で70人以上の死者を出した反省もあった。

マスクの流通管理策も一定の評価を得た。1月後半から輸出や持ち出しを禁止し、中国へ高値転売しようとする業者をけん制。台湾は1月末時点で域内での生産能力が日産200万枚程度と人口(約2300万人)に対し不足している。2月6日からはマスクの購入を実名制とし、7日間に1人2枚しか入手できないようにした。販売数を増やすため生産能力の拡大を急いでいる。

24日には、日本などからの渡航者に対して14日間の「自主健康管理」を求める措置を打ち出した。外出時のマスク着用や、毎日の検温、だれと接触したかなどの行動記録を求め、できるだけ公共の場所に行かないよう呼びかける。韓国からの渡航者にはさらに厳しく、14日間は自宅や滞在先からの外出を原則禁止する「自宅検疫」とした。

ただ、こうした厳しい措置は経済の減速を招くリスクもはらむ。12日に行政院(内閣)は、20年1~3月期の実質経済成長率が前年同期比1.8%になる見通しと発表。昨年11月時点の予想から1.22ポイント下方修正し、1年ぶりに2%台を割り込むと予測した。新型コロナで対中輸出や観光などの関連消費が落ち込むのは避けられないとしている。

電子版の記事が今なら2カ月無料

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]