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三菱UFJ銀行、グラブへの出資発表 アプリ技術活用

2020/2/25 16:32
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資本業務提携を発表した三菱UFJ銀行の亀沢宏規副頭取(左)とグラブのミン・マー社長(25日、東京・千代田)

資本業務提携を発表した三菱UFJ銀行の亀沢宏規副頭取(左)とグラブのミン・マー社長(25日、東京・千代田)

三菱UFJ銀行は25日、東南アジアの配車最大手、グラブと資本業務提携を結んだと発表した。スマートフォンで暮らしに関わる様々なサービスを一括提供する「スーパーアプリ」を金融でも活用するため、協業に乗り出す。日常の消費行動に基づいてサービス提案する技術を取り込む狙いだ。異業種を巻き込んだ国内の金融サービス競争を勝ち抜くための一手と位置づける。

両社が25日開いた記者会見で、三菱UFJ銀行の亀沢宏規副頭取は「東南アジアで新しい金融サービスに収益化しながら挑戦する。将来的には日本やグローバルに展開することも考えられる」と述べた。グラブのミン・マー社長は「(グラブにとって)初めての地域にわたる包括的提携で、お互いの専門性を活用しあいたい」と語った。

三菱UFJ銀が2020年半ばまでに、最大で7億600万ドル(約780億円)をグラブに出資する。出資の一部には同行のグループ会社も加わる。出資比率は5%未満の見通しだが、金融機関としては最大の株主となる。

共同で個人や中小事業者向け融資商品や保険を手掛け、グラブが持つ顧客にスマホ経由で提供する。東南アジアのグループ行の商品も販売する。

19年はじめ、提携を持ちかけたのはグラブ側からだった。同社は配車と食事宅配を軸に、QRコード決済やホテル予約も1つのアプリで提供し、東南アジア8カ国で事業を展開する。個人の消費行動や、飲食店の売り上げ動向に基づく金融サービスへの本格参入を狙っていたが、返済能力の審査や債権回収に関わるノウハウが足りない。

そこで東南アジア4カ国の現地銀行をグループに抱える三菱UFJ銀に協業を持ちかけた。「規制対応や債権回収などこれまで銀行にはコストと思えた分野がプラスに働いた」(三菱UFJ銀幹部)。東南アジアでの事業基盤や国際的な金融機関としてのブランドが協業につながった。ソフトバンクグループトヨタ自動車などの日本企業をグラブが株主に持つことも大きかった。

ただ邦銀が海外の事業会社にこれだけの多額を出資するのは異例だ。出資金のうち、100億円程度は19年10月に出していた。「突っ込んで協議するためのエントリーチケット」(幹部)だったといい、三菱UFJ銀の本気度がうかがえる。デジタル事業の責任者で、4月に持ち株会社の社長に就く亀沢副頭取の肝いり案件だった。

三菱UFJ銀は住宅購入や定年退職など金融サービスが必要になった時にだけ顧客に接近する従来型のサービスから転換を目指してきた。グラブと共同で人工知能(AI)やデータ解析の研究所を設け、顧客と日常的に接点を持てるスーパーアプリに関わる知見を蓄える。見据えるのは国内での陣取り合戦だ。

10月までに経営統合することで合意したZホールディングスLINEや、KDDIなどの通信会社はスーパーアプリの展開に意欲を示しており、競争の過熱が見込まれる。中国では「アリペイ」、東南アジアでは「グラブ」や「ゴジェック」など、世界的にみると普及期に覇権を握ったアプリが顧客接点や情報を集中して獲得する。三菱UFJ銀には、グラブとの提携で得るノウハウを武器に今後の提携などでの交渉を有利に進める狙いがありそうだ。

グラブは12年の創業以降、急激に事業を拡大し世界を代表する有力スタートアップに成長した。三菱UFJ銀が新しい個人向け金融を広げるには、店舗やシステムなど既存のインフラをどう調整するかもセットで考えなければいけない。銀行全体の戦略の再構築が急務となる中、スピードを求めるグラブの企業文化を取り込むことも重要になる。

グラブを巡ってはシステム開発のTISも25日、資本業務提携したと発表した。1億5000万ドルを出資し、東南アジアでの金融・決済サービスの領域などで協業する。

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