天空の鳥居から絶景富士山 神社遥拝所が新スポットに
鳥居越しに霊峰を堪能――。山梨県富士河口湖町の河口浅間神社の裏山の遥拝所が、富士山を眺める新たな絶景スポットとして若者や外国人らに人気だ。鮮やかな赤色の「天空の鳥居」の向こうに富士がそびえる雄大な眺望で、週末は写真撮影の列ができる。神社は「予想以上に来訪があり驚き。大自然に畏れや敬意を抱くきっかけになれば」としている。

遥拝所は遠く離れた地点から神仏などを拝む場所。同神社は噴火を鎮めようと865年に建立された。昨年春、ご神体の富士を美しく拝めるよう、裏山の斜面を平らにし鳥居を設けて遥拝所をつくった。景色を遮る物はなく、鳥居だけがぽつんと浮かんで見えるので「天空」と形容した。
「富士山は見慣れているが改めて美しいと思えた」。寒さ厳しい2月上旬の週末の午後、遥拝所で静岡県の男子大学生は目を丸くした。アジア、欧米系の外国人を含め20人ほどが行列をなし、鳥居と富士山をバックに順番に写真を撮っていた。
神社は特に宣伝しなかった。写真共有アプリのインスタグラムで「神々しい」「息をのむ景色」と口コミが拡散。他のSNS(交流サイト)やブログでも絶賛が相次ぎ、昨年10月ごろから急激に来訪者が増えた。
宮司の中田進さん(69)は「富士山について、信仰対象としての側面を知る機会になればうれしい」と歓迎している。
〔共同〕