英デジタル銀のレボリュート、550億円調達

【ロンドン=篠崎健太】英新興デジタル銀行のレボリュートは25日、機関投資家から計5億ドル(約550億円)を調達したと発表した。集めた資金は銀行サービスの本格展開に向けた準備にあてる。同社によると、出資条件に基づく企業価値は55億ドルと評価されるといい、未上場のフィンテックベンチャーとしては欧州最大級になった。
同社はスマートフォンのアプリで完結する金融サービスを手掛けている。2015年に営業を始め、利用者数は欧州を中心に1000万人を超えた。日本でも20年6月末までに、送金や外貨両替といったサービスを始める計画だ。
資金調達には米投資会社TCVを軸に、複数の既存株主が出資者として参加した。18年4月の前回調達時の企業価値は17億ドルとされており、約2年で3倍強に膨らんだことになる。
調達した資金は法人顧客の開拓や、銀行業務の本格展開に向けた商品開発などに投資するという。英国では電子マネー事業者の資格で営業しており、デビットカードによる決済サービスが主力だ。金利が付く預金口座や融資など、銀行フルサービスの欧州全域での提供をめざしている。
同社は18年に欧州中央銀行(ECB)から銀行免許を取得した。英国では20年1月から、金利が付く口座の試験提供を有料会員向けに始めた。欧州連合(EU)離脱を受けて英金融当局にも銀行免許を申請中で、完全な銀行としての展開に向け弾みをつけたい考えだ。
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