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トランプ氏「インドと貿易交渉開始」 訪印で集会に10万人

【ニューデリー=河浪武史】トランプ米大統領は24日、インドを初訪問し、同国のモディ首相の地元、西部グジャラート州で10万人の聴衆を集めた大規模演説会を開いた。トランプ氏は「米国とインドは貿易交渉の初期段階に入った」と表明し、2国間協定の締結に強い意欲をみせた。25日には首脳会談を開き、対潜ヘリなど30億ドル規模の米国製兵器の売却で合意するとも明らかにした。

トランプ氏は2日間の日程でインドを訪問する。24日にはモディ氏の地元、西部グジャラート州アーメダバード市をまず訪れ、到着早々にモディ氏とともに「ナマステ・トランプ」と題した大規模集会で演説した。

トランプ氏は「インドは戦後70年の経済成長で、世界最大の人口を持つ民主主義国家になった」などとたたえた。「政権発足以来、2国間の輸出入は40%以上増えた」とも述べて「米国とインドは素晴らしい貿易協定の交渉で初期段階に入ったところだ」と主張。インドに「かつてない巨大な2国間協定」の締結を明確に要求した。

インドは平均関税率が17%と、日欧の4~5%に比べて際立って高い。米国は「インドは不公正に市場を閉ざしている」(ホワイトハウス高官)として、2019年に同国向けの関税優遇制度を打ち切って市場開放の圧力をかけてきた。トランプ氏は24日の演説で「今回の訪問は、インドとの経済関係を拡大するためのものだ」とも主張した。

トランプ政権は、軍事面でインドを「中国包囲網」の要地と位置づけ、海洋安全保障を中心に戦略関係を深めてきた。トランプ氏は24日の演説で「インドに米国製の対潜ヘリなどを供給する」と表明し、両国の陸海空軍による共同演習などの成果も誇ってみせた。

24日の演説会場は10万人を収容する世界最大級のスタジアムで、沿道でも10万人超がトランプ氏を出迎えた。多くの聴衆を集めた演説会を好むトランプ氏だが、米国外で10万人規模の集会を開くのは例がない。トランプ氏は「米国には400万人のインド系米国人が住む」とも指摘した。11月の大統領選を前に、政治的な影響力を高めるインド系米国人を取り込みたい思いもにじませた。

もっとも、トランプ政権は移民制限を強めており、IT産業などに従事するインド系米国人の支持は弱い。トランプ氏は演説で「テロリストに対しては国境を閉ざすが、米国はいつでも我々を愛し、価値を共有できる人々を歓迎してきた」と述べ、インド系技術者の受け入れへ理解を求めた。

アーメダバード市での聴衆や観衆の多くは、米国との関係を国内外にアピールしたいモディ氏が、インド人民党(BJP)などを通じて大量動員したものだ。トランプ氏の外遊は欧州などでは抗議活動を呼ぶほど、同盟国でも不人気だ。モディ政権は大がかりな歓迎式典をトランプ氏に用意して、同氏の極端に攻撃的な対外スタンスを和らげる効果を狙う。

実際、モディ政権は20年に入ってからも、玩具や携帯電話部品の輸入関税の引き上げを表明するなど、市場開放に逆行したままだ。トランプ氏は24日の演説で「モディ氏はタフな交渉相手だ」と苦笑いを浮かべる場面もあった。

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