喜界島の「特攻花」描き平和願う 東京の画家

2020/2/24 18:37
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太平洋戦争末期、鹿児島県・喜界島の基地から出撃する特攻隊に島の女性が手渡したと伝えられ、「特攻花」の異名を持つテンニンギク。この花を平和のシンボルとして広めようと、東京都の画家、横山忠正さん(68)は島に通い、花を描き続けている。「絵を通じ、若い命をささげざるを得なかった無念さを想像してほしい」と願う。

「特攻花」を描いた作品の前で話す横山忠正さん(2日、福岡県筑前町の大刀洗平和記念館)=共同

「特攻花」を描いた作品の前で話す横山忠正さん(2日、福岡県筑前町の大刀洗平和記念館)=共同

キャンバスに描かれた緋色(ひいろ)に黄の覆輪を持つ鮮やかな一輪の花。背景は朝焼けの淡い空の時もあれば、白黒の線だけのものもある。それぞれ、特攻兵一人一人の複雑な心境を表している。

喜界島観光物産協会によると、島から沖縄に向かう特攻兵の少年に若い娘がテンニンギクを手渡した。少年はこれを滑走路脇に置いて出発した。その姿は「一緒に散るのは忍びない」と花を守るように見えたといい、その種が根付き、地元で平和を願う花として親しまれるようになったという。

鹿児島県・喜界島に咲く、「特攻花」の異名を持つテンニンギク(喜界島観光物産協会提供)=共同

鹿児島県・喜界島に咲く、「特攻花」の異名を持つテンニンギク(喜界島観光物産協会提供)=共同

横山さんは山形市で生まれ、世界中の花を描いてきた。先の大戦に関心はなかったが、4年前に喜界空港周辺に咲く特攻花を見て「少年たちの魂がよみがえっているように感じ、突き動かされた」。年に数回、島を歩いて自然を体感し、歴史も学び、描いた作品は50点に上る。

昨年、地元の後押しもあり、島内で絵画展を開催した。現在は特攻の史実を伝える福岡県筑前町の大刀洗平和記念館で企画展「大空に散った魂が天人菊となってよみがえる―特攻花」が開かれている。横山さんは2月2日、同館で講演し「戦争の愚かさや平和の尊さを考える、きっかけにしてほしい」と呼び掛けた。企画展は4月26日まで。

〔共同〕

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