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新型肺炎、イタリアで感染急増 一部自治体は封鎖

(更新)

【ジュネーブ=細川倫太郎】イタリアで新型コロナウイルスの感染者が急増している。公共放送RAIによると、24日までに感染者数は200人を超え、欧州では最多。コンテ首相は北部の11の自治体を封鎖したほか、「水の都」として知られるベネチアのカーニバルは中止に追い込まれた。詳しい感染経路は不明で、市民生活や経済への脅威になっている。

「感染が一気に拡大したことに驚いた」。コンテ首相は23日、感染者が数日内にさらに増える可能性があると警鐘を鳴らした上で、ウイルスの封じ込めに「あらゆる手段を講じる」と述べた。感染はミラノがあるロンバルディアやベネトなど北部の州に集中している。5人の死者が出た。

伊政府は感染者が出ている両州の11の自治体を封鎖し、対象となる住民約5万人の出入りを禁止することを決めた。警察を配備して検問を設けるなど、厳戒態勢を敷いている。週末は住民がスーパーマーケットに殺到し、食料品や日用品が品切れとなった。

両州は24日からすべての学校を休校にした。ロンバルディアは映画館や博物館の閉鎖も決め、ミラノの名門歌劇場「スカラ座」も当面公演をとりやめる。

イタリア北部は自動車やファッション産業などが集中し、伊経済の成長エンジンとなっている。伊政府は2020年の経済成長率を0.6%と予測するが、グアルティエリ経済・財務相は「新型コロナウイルスの影響が広がれば、下方修正する可能性がある」と話す。

イベントの中止や延期も相次ぐ。ベネト州は23日、世界三大カーニバルの一つ「ベネチア・カーニバル」を前倒しで終了した。25日に閉幕する予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大で継続は困難と判断した。中世から続くカーニバルには世界各国から数百万人の観光客が集まって、人々は仮装して街を歩く。イベントの中止で、ホテルや飲食店などの損失も大きくなりそうだ。

23日はイタリアのサッカー1部リーグ(セリエA)もインテル・ミラノ―サンプドリアなど4試合が延期となった。サンプドリアには日本代表の吉田麻也選手が所属している。イタリアサッカー連盟は新型コロナウイルスに関する特別チームを設置した。

イタリアでは21日にロンバルディア州で38歳の男性が感染していることが確認された。その後、わずか数日で感染が急速に広がった。感染経路が確認できない「市中感染」が広がっているとの見方も強まっている。

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