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柔道GS制覇の大野、我慢の展開も隙みせず

2020/2/23 20:54
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「雨とは言わないけど曇り。どんよりして」。2018年世界王者の安昌林との頂上対決を制しても大野は表情を崩さず淡々と畳を降りた。「代表権を得るためにドイツに来ていない。もっと高い境地で自分を追い込んでいるので」。五輪切符は眼中にない。むしろ理想の柔道を表現できなかった落胆をにじませた。

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男子73キロ級で優勝し、引き揚げる大野将平。奥は金丸雄介コーチ(デュッセルドルフ)=共同

男子73キロ級で優勝し、引き揚げる大野将平。奥は金丸雄介コーチ(デュッセルドルフ)=共同

「全選手が自分の首を狙っている感覚」に包まれた。徹底して組み合いを避け、自らの土俵に乗ってこない相手を前に、流れに乗り切れない。手を痛めたとみられる影響もあってか、昨夏の世界選手権での根こそぎなぎ倒すような柔道は鳴りを潜めた。

それでもいら立ち"寝首をかかれる"失態は犯さないのが五輪王者のもう一つの強さである。「自分を殺しながら勝つ」と我慢して、試合運びはそれこそ淡々。4回戦は66キロ級のリオデジャネイロ五輪王者、バシレ(イタリア)の内股をすかして一本、18年アジア大会の再戦となった安との決勝は開始2分、内股から押し込んで技あり。本番を見据え、互いに深追いを避けたような戦いでもあったが、最終関門もきっちりと突破した。

不戦敗を除き、リオ後も海外勢に33戦負けなしで確実にした五輪切符。晴れぬ本人の表情とは裏腹に、間口の広い柔道に隙はない。「柔道は相手ありき。その中でどう戦うか考え抜いている証明」と井上監督も最大の評価を与えた。

この日、地元ドイツ勢に対するものを超えるほどに注がれた、大野への大声援。それは既に国を超えた柔道家となった証左でもあろう。日々口にする「自分にしかできない柔道」を自国の五輪で世界に見せつけ、その先にある2連覇へ。まずは一歩を踏み出した。(西堀卓司)

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