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穏健派支持者「候補多すぎかも」 米民主候補選びルポ

第3戦ネバダ州

ネバダ州の米民主指名争いに勝利したことを妻とともに祝うサンダース氏(22日、テキサス州サンアントニオ)=ロイター

22日、米西部ネバダ州ラスベガス。民主党の大統領候補選びの第3戦である党員集会の会場の一つになった中学校体育館でマルタ・ラミレスさん(70)は戸惑いを隠せなかった。希望する穏健派候補が1回目の投票で全員脱落したからだ。

党員集会は投票の機会が2回ある。(1)全候補から選ぶ1回目の投票(2)1回目で得票率が15%に満たない候補を支持した有権者が別の候補に支持を変更するかを判断した上で臨む2回目の投票――というプロセスを踏む。

ラミレスさんは1回目の投票でジョー・バイデン前副大統領(77)に投票したが得票率15%に達せず、同じく穏健派のブティジェッジ前インディアナ州サウスベンド市長(38)とエイミー・クロブシャー上院議員(59)も基準を満たせなかった。2回目の投票に残ったのはともに左派のバーニー・サンダース(78)とエリザベス・ウォーレン(70)両上院議員。「政策はだいぶ違うけどね」。ラミレスさんは2回目でウォーレン氏に票を渋々投じた。

この状況は有力候補を絞れず、票を奪い合う民主党穏健派の迷走ぶりを象徴する。当初はバイデン氏が有力とみられたが初戦のアイオワ州の党員集会などでまさかの大苦戦を強いられた。弁護士カート・チェンバレンさん(42)はアイオワ州で躍進したブティジェッジ氏の「賢さ」に感銘を受け、バイデン氏から乗りかえた。起業家の女性(55)はブティジェッジ氏と集会直前まで悩み、最後は政治経験が豊富なクロブシャー氏を支持した。

2016年の大統領選ではサンダース氏とヒラリー・クリントン元国務長官が事実上の一騎打ちとなり、穏健派はクリントン氏に結集。ネバダ州ではクリントン氏が勝利した。穏健派を支持するカリーヌ・マクワーターさん(65)は「すばらしい候補が多いのは良いことだけど、(今回は)候補が多すぎるかもしれない」と語った。

一方でサンダース氏は「反トランプ」をテコにして支持基盤を固め、穏健派の票までを触手した。会社員のチィト・ロドリゲスさん(48)は16年の党員集会で穏健派のクリントン氏を支持したが、今回は左派サンダース氏に票を入れた。トランプ政権下で米社会が右傾化したことに懸念を感じ「次の4年間で情熱と勇気を持って米社会を(左傾化の方向に)変革できる人物だと思った」と転向の理由を話した。

ジョシュ・シャフナーさん(26)は初めて党員集会に参加し、サンダース氏に票を投じた。トランプ氏に不快感を覚え、約1カ月前にラスベガスで開かれたサンダース氏の集会に参加し「民主党のどの候補よりもトランプ氏と戦える候補だ」と感じたという。サンダース氏は候補指名を勝ち取るには若者の投票率向上が必要だと繰り返し訴えてきた。

一方でサンダース氏の「独走」は民主党の結束を乱す恐れもある。モデルのブリタニ・ラボーフさん(30)は「政治に対する彼の情熱が好きだ」と力説。サンダース氏以外が大統領候補に指名されれば11月の大統領選では投票に行かないと言明する。「バーニー個人を応援していて、民主党を支持しているわけではない」

他候補の支持者はサンダース氏に不満を漏らした。21日にロシアがサンダース陣営を支援していると報じられたことについて、バイデン氏の支持者のデビッド・ハムディーさん(71)は「支援の事実を隠蔽していた」と批判。IT(情報技術)業界で働くジョーダン・ホフマンさん(25)も「サンダース氏の候補者としての信頼性が下がる」と苦言を呈した。(ラスベガス〔米ネバダ州〕=中村亮)

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