中期予算で合意できず、EU首脳会議 英離脱後も亀裂

英EU離脱
2020/2/22 4:26 (2020/2/22 4:45更新)
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【ブリュッセル=白石透冴】欧州連合(EU)首脳会議は21日、2021~27年の中期予算案に関する結論を持ち越して閉幕した。英国のEU離脱を受けて予算規模の抑制を求める北部欧州と、増額を主張する東・南欧との意見の溝が埋まらなかった。結論を得るための次回会議の日程も決められず、事態打開に向けた加盟国間の調整は難航しそうだ。

21日、EUのミシェル大統領(右)は中期予算の結論を先送りすると発表した=ロイター

ミシェルEU大統領は21日の記者会見で「(加盟国が)お互いの立場を明らかにできたが、残念ながら今日は結論にたどり着けない」と語った。EU執行機関である欧州委員会のトップ、フォンデアライエン欧州委員長は「まだ長い道のりが残っている」と述べた。

20日に始まった首脳会議では、離脱した英国が7年間でEUに支払うはずだった拠出金750億ユーロ(約9兆円)をどう埋めるかなどが課題となった。地球温暖化やテロ対策といった、EU規模で取り組む課題にどれだけ資金を確保するかも注目された。

ミシェル氏は当初、各国の拠出金を国民総所得(GNI)比で1.074%、金額ベースで1兆948億ユーロとする案を示した。欧州メディアによると、21日には北部欧州に配慮し、さらに予算規模を抑えた修正案づくりに入ったが、結局、仕切り直しを決めた。メルケル独首相は首脳会議後、「意見の違いが大きすぎる」と語った。

「倹約の4人」とあだ名されたオーストリア、オランダ、スウェーデン、デンマークの4カ国は当初から、拠出金はGNI比1%とすべきだと主張した。ドイツの立場も4カ国に近く、予算の拡大をけん制した。

一方、フランスを含む東・南欧はEUから受け取る補助金などが国内産業保護のために必要と判断し、一定額の予算の必要性を主張した。マクロン仏大統領は首脳会議後、いらだちを隠さず「英国が抜けた後でも、我々は一致できないことが分かった」と皮肉った。

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