保釈中の逃亡防止、GPS導入など議論 課題も多く

社会・くらし
2020/2/21 17:06
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重要な法律の見直しを議論する法制審議会(法相の諮問機関)が21日あり、森雅子法相は保釈中の被告などが逃亡するのを防ぐ刑事法の整備を諮問した。日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告(65)の海外逃亡などを受け抜本的な対策を議論する。全地球測位システム(GPS)による監視も議題となる見通しだ。監視態勢の構築といった課題も多く、結論に至るには時間がかかるとみられる。

森法相は同日の法制審で「安全・安心な社会を実現するために、逃亡の防止は喫緊の課題となっている」と述べた。今後は法制審が設置した部会で、専門家らが本格的に議論を進める。

近年はゴーン元会長の他にも保釈中に逃亡する事件が多い。2019年5月には宇都宮地検足利支部が詐欺などの罪で起訴し保釈中だった男が逃走し、キャッシュカードをだまし取ったとする別の詐欺容疑で逮捕されるなど、保釈中に別の犯罪で摘発される事例もあった。

被告の所在を把握する方法としては、英国やカナダが導入しているGPS機器装着の是非が焦点になる。現行の刑事訴訟法でも裁判所が保釈条件としてGPS機器の装着を義務付けることは可能だが、弁護側にはプライバシー保護の観点から慎重な意見が根強かった。

導入した場合の最大の課題は誰が監視するかだ。法務省が11年にまとめた資料によると、英国では監視業務を民間企業に委託し、カナダは一部の州で司法省の職員が担っている。

法務省幹部は「マンパワーや予算の問題もあり、24時間の監視態勢を築くのは容易ではない」と話す。裁判所や検察当局とは別の外部機関に委託する場合には、個人情報の外部漏洩や悪用のリスクが浮上する。

法制審ではこうした課題を踏まえたうえで、装着の是非や法整備のあり方が検討される。また逃亡の厳罰化も対策の一つで、被告が保釈条件に違反して逃走したり、裁判所の呼び出しに応じなかったりした場合の罰則を刑法や刑事訴訟法に規定する方向で議論するとみられる。

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