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トランプ氏、腹心で政権中枢固め 情報機関トップも

トランプ米大統領は事実上の情報機関トップへの側近登用や国防総省高官の解任など独善的な人事を断行している=ロイター

【ワシントン=中村亮】トランプ米大統領が安全保障を担う政権中枢を自分に忠誠を示す人物で固める動きに出ている。19日には情報機関トップに腹心を起用する考えを表明し、ウクライナ政策で自らの意向に異を唱えた国防総省のナンバー3を解任した。トランプ氏の意向が外交・安保政策に直接反映されやすくなり、抑制が利かなくなるリスクがある。

トランプ氏は19日、米中央情報局(CIA)や米連邦捜査局(FBI)を束ねる国家情報長官代行へのグレネル駐ドイツ大使の起用をツイッターで明かした。グレネル氏はトランプ氏に忠実に従い、イラン核合意の維持を目指すドイツ政府の方針を批判するなど、内政干渉と受け取られかねない言動で物議を醸した。

長官代行にとどめるのは議会上院の承認手続きを回避するためとみられる。国家情報長官は安保政策の立案の土台となる機密情報を収集し、大統領に伝達する役割を担う。コーツ前国家情報長官は対北朝鮮・イラン政策でトランプ氏と対立し2019年夏に退任。後任の長官代行にマグワイア氏を起用したが、正式な長官指名はしなかった。

国防総省は19日、ジョン・ルード次官(政策担当)の辞任を発表した。ルード氏は辞表で「大統領が辞任を要求したと理解している」と記し、事実上の解任であることを明示した。ルード氏はトランプ氏の意向に反し、ウクライナ向け軍事支援の継続を主張していた。トランプ氏は経済制裁担当の財務次官の人事指名も撤回した。

一連の人事からは忠誠心の高い人物を厚遇し、自身の意向に反対する人物を徹底的に排除する姿勢が明確だ。財務次官人事を撤回されたジェシー・リュウ氏はトランプ氏の元側近ロジャー・ストーン被告の捜査に関与した。トランプ氏は被告が検察によって不公平に扱われたと主張し、量刑に介入した。

トランプ氏は5日に上院の弾劾裁判でウクライナ疑惑をめぐり無罪評決が下されたことを受け、なりふり構わぬ言動が目立つようになった。大統領選を控え、政権内の反発を恐れ、中枢を腹心で固めている面もあるとみられる。

オブライエン大統領補佐官(国家安全保障担当)は11日、米国家安全保障会議(NSC)のスタッフを月内に約120人に削減すると表明した。オバマ政権下では約240人が所属したとされる。「政策決定の効率化」と説明したが、米メディアによると政権からの情報漏洩を懸念するトランプ氏が縮小を指示した。

トランプ氏と意見を異にする人物が政権から離れるほど暴走リスクが高まる。1月にはイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官を殺害し、イランとの全面戦争に発展しかねないほど緊張が高まった。その選択肢を示した米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長もトランプ氏に近い。マティス前国防長官は別の高官を議長に推したが、トランプ氏側近が覆した。

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