「にいがた酒の陣」中止、新型肺炎感染拡大で

2020/2/20 18:23
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新潟県酒造組合(新潟市)は20日、3月に予定していた日本酒の試飲イベント「にいがた酒の陣2020」の開催を中止すると発表した。新型肺炎の感染拡大を受けて、安全性の観点から中止を決めた。酒の陣は県内約80の酒蔵が出展し、全国から14万人が訪れる大型イベント。ホテルや飲食店などへの経済効果も大きく、中止は市内経済にとって大きな打撃だ。

2019年に過去最高となる14万1611人が来場した「にいがた酒の陣」(写真は2018年)

2019年に過去最高となる14万1611人が来場した「にいがた酒の陣」(写真は2018年)

同日開催した臨時会議で決定した。中止の理由として「海外も含む広域から来場があること」「大混雑で濃厚接触を避けられないこと」などをあげた。既に販売している3000枚の前売りチケットは、今後払い戻しに応じるという。

新潟県酒造組合の大平俊治会長は「会場は密閉型。食に関わることなので何かあったら取り返しがつかない」と述べた。「延期も検討したが、新型肺炎の先行きが見えないほか、場所の問題もあり中止とした」。にいがた酒の陣実行委員会の斎藤俊太郎委員長は無念の表情で語った。

酒の陣は2004年に始まり、19年には朱鷺メッセ(新潟市)を会場に、2日間で過去最多の14万1611人が来場した。入場券制で、500種類超の清酒を試飲したり購入したりできる。

20年は3月14、15日に開催を予定していた。混雑解消に向け、今年から有料試飲チケット制の導入や2会場での開催など、新しい取り組みをする計画だった。新型肺炎の感染が深刻化するなか、酒造組合は「開催の有無について慎重に協議を重ねている」とし、入場券の販売も18日から休止していたが「この1週間で情勢が大きく変わった」(大平会長)。

一部の酒蔵からは、中止決定に先駆け参加を取りやめる動きが出ていた。柏崎市の阿部酒造は18日「小さな酒蔵のため、その後の製造スケジュールや多くの影響を考慮し、参加を取りやめる」と公表。久須美酒造(長岡市)も客と社員の安全性の観点から参加しないとしていた。

「酒の陣」は県外から泊まりがけで参加する人も多く、ホテルや鉄道、飲食店などへの経済的な波及効果も大きい。中止発表を受けて、旅館・ホテルの事情に詳しい関係者は「一言でいうと大打撃だ。新潟市内を中心にこの日を『ビジネスチャンス』と捉えている施設も多い」と指摘する。

例年、開催時には新潟市内のホテルはほぼ全てが満室となる。万代シルバーホテルは「今年の開催は難しいだろうとは思っていたが、仕方がない。やむを得ない選択だと思う」と話している。

新潟市観光政策課の担当者は「14万人規模を集客できるイベントは貴重で、市内への経済効果は大きい」とした上で、飲食店などへの影響も懸念する。「酒の陣に行った後、市内の飲食店へと足を運ぶ人も多い。宿泊だけでなく消費面での損失もあるだろう」と話す。

酒の陣は11年に、東日本大震災の影響で開催を中止したことがある。

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