検事長の定年延長「経緯説明を」 検事正が意見
黒川弘務東京高検検事長の定年延長を巡り、19日に開かれた法務・検察幹部の会議で、出席した検事正が「国民に経緯を説明すべきだ」と意見していたことが関係者への取材で分かった。人事については議題に含まれておらず、異例の指摘となった。
関係者によると、全国の検事長・検事正らが集まる「検察長官会同」で中部地方の検事正が発言した。これに対し、進行役を務めていた法務省の辻裕教事務次官は「必要があったから延長した」と答えたという。
会議の議題は「検察運営上考慮すべき事項」。通常は捜査、公判の課題の洗い出しや改善策が話し合われる。
検察庁法は検察官の定年を63歳、検察トップの検事総長は65歳と定めている。政府は1月31日の閣議で、2月8日に63歳となる黒川検事長の勤務を8月7日まで延長することを決めていた。
同法に定年延長の規定は存在せず、国家公務員法に基づき延長された。野党側が手続きに違法性がないか追及している。