アルゼンチン債務 IMF、民間負担求める
「持続できなくなる」

2020/2/20 17:38
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【サンパウロ=外山尚之】国際通貨基金(IMF)は19日、アルゼンチン政府と同国の政府債務を巡る協議を終えた。IMFは声明で同国の債務返済について「持続不可能になる」との認識を示し、「民間債権者の意味ある貢献」を促した。同国の国債を保有する国内外の金融機関や投資ファンドに元本削減などの負担を求めたものとみられる。

IMFのゲオルギエバ専務理事(左)とアルゼンチンのグスマン経済相(5日、バチカン)=ロイター

IMFの査察団が12日から19日までアルゼンチンを訪問し、同国政府と債務問題を協議した。これまでIMFはアルゼンチンの債務を「高い可能性ではないものの持続可能だ」と評価しており、今回は判断を転換した。債務削減には「基礎的財政収支(プライマリーバランス)が必要だ」としながら、実現は「経済的にも政治的にも不可能だ」との認識を示した。

アルゼンチンの政府債務は約3千億ドル(約33兆円)に上り、このうちIMFの融資額は約14%で、民間債権者が約3割を占める。IMFは「民間債権者が関わる協調プロセスの継続」が重要だと指摘し、民間債権者の負担を求める方針を示唆したものと受け取れる。

2010年代に債務危機に陥ったギリシャでも、民間が保有する国債の元本が削減された例がある。欧州連合(EU)とIMFが実施した第2次金融支援では、IMFや欧州中央銀行(ECB)など公的な貸し手の保有分は元本削減の対象外だった。

IMFはアルゼンチン経済の悪化や債務返済能力の低下を考慮し、金利の引き下げや支払期間の延長といった条件の見直しに応じる可能性はあるが、元本削減には応じないとの見方が大勢を占める。

民間債権者は主に米欧に拠点を置く投資ファンドとされており、アルゼンチンが財政・経常の赤字を抱えるにもかかわらず高い利回りを求めてアルゼンチン国債を運用資産に組み込んできた経緯がある。

アルゼンチン国内の金融機関も国債の主要な買い手だ。IMF声明は国内金融機関やその預金者にも負担を求めたと受け取られ、「国内問題として処理するよう、さじを投げた」(三菱UFJリサーチ&コンサルティングの土田陽介研究員)との見方もある。

2019年12月に誕生した左派フェルナンデス政権は、マクリ前政権下で膨らんだ債務が不況の原因と主張し、債権者団に債務返済の繰り延べなどの対応を求めている。

IMFのゲオルギエバ専務理事とアルゼンチンのグスマン経済相はサウジアラビアで22~23日に開く20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の際に債務問題の交渉を続けるとしている。

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