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ラグビー・トンプソン、現役に幕 献身貫き有終の美

ラグビー近鉄の名ロック、トンプソン・ルークが16シーズンの現役生活に幕を下ろした。長くチームの顔として躍動し、日本代表ではワールドカップ(W杯)で勝てなかった雌伏の時代から躍進を遂げた2019年大会まで砕身のプレーで支えてきた。いちずな活躍はファンの記憶に生き続けるだろう。

現役最終戦後、撮影に応じるトンプソン(前列左から2人目)=共同

1月19日に秩父宮ラグビー場で行われたトップチャレンジリーグ、栗田工業戦の観衆は1万4599。最後の雄姿を見ようと下部リーグでは異例の大観衆が集まった中、トンプソンは196センチの巨体を折り曲げた好タックルを何度も繰り出した。ボールを持てば、待ってましたとばかりにスタンドから「ルーーーク!」の声。日本代表主将のリーチ・マイケル(東芝)に「リーーーチ!」の声援が飛んだ19年W杯をほうふつさせた。

近鉄のトライ量産で大勢が決していく中、サプライズが起きた。後半32分、トライ後のゴールキックを蹴ったのはトンプソン。慎重に助走の距離を取る、本職キッカーさながらの予備動作から右足を振り抜き成功。この試合のハイライトだった。

後半ロスタイム、敵陣深くでの連続攻撃でトンプソンにボールが渡る。有終のトライかと観衆が沸いた瞬間、さっと後ろにパス。場内がため息に包まれる中、味方がトライを奪った。我を張らず、得点のための最善手を選ぶ。日本代表で長くロックのコンビを組み、この日観戦に訪れた大野均(東芝)は「最後までチームファースト」とたたえた。「骨惜しみしない彼の人間性がプレースタイルに出る。それはきょうも感じた」

志願のフル出場で締めたトンプソンは「ちょっと疲れた。久しぶりの80分」と笑みを浮かべ、全勝でチームが優勝したことを「それが一番大事」と喜んだ。

04年にニュージーランドから来日し三洋電機(現パナソニック)に入団、06年から近鉄でプレーしてきた。W杯には日本が3敗1分けに終わった07年大会から出場。南アフリカから歴史的勝利を挙げた15年大会限りでの代表引退を決めながら、衰えぬ情熱と妻の後押しから復帰。4大会連続出場となった19年は献身のタックル連発で日本初の決勝トーナメント進出に貢献した。言葉や文化の壁を乗り越え「トモさん」の愛称で親しまれた38歳。国籍を取得するほど愛着を抱いた日本での日々は「永遠のメモリーになる」。

引退から程なくして近鉄のアドバイザーに就任した。今後は母国で牧場を経営しながら古巣の発展を後押しする。立場こそ変われどチーム愛の体現が続くことを、ファンは心強く感じているだろう。

(合六謙二)

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