富士塚・ミニ遍路 気軽に立ち寄れる御利益スポット

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2020/2/27 3:00
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矢田寺八十八カ所のスタート地点を示す住職の前川真澄さん(奈良県大和郡山市)

矢田寺八十八カ所のスタート地点を示す住職の前川真澄さん(奈良県大和郡山市)

富士登山や四国遍路は行きたいと思ってもなかなか踏み出せない旅のテーマだろう。そんな人向けに同じ御利益が得られるというミニチュア版があるのをご存じだろうか。富士塚やミニ遍路がそれ。気軽に立ち寄れるちょっとお得なスポットだ。

「小さい頃は黒くゴツゴツした岩が怖かった。今は夫や子どもと楽しんで登っている。本物に行けなくてもいいかな」。東京都練馬区在住の美術家で富士塚に詳しい山本麻世さんは、自宅からほど近い「大泉富士」に登りながら話した。頂上へ向かうジグザク道は狭く急な場所もあり、なかなかの登りごたえ。山腹には古くからの石造物が並び、それらを見るのも楽しい。

■関東に多い富士塚

関東地方に多くみられる富士塚は、江戸時代から明治にかけて築造されたミニチュアの富士山だ。大泉富士もそのひとつ。金銭や体力面から富士登山ができない人のために富士講という信仰団体がつくった。ミニとはいっても富士山から運んだ溶岩(黒ボク)を使ったり、5号目など号目を示す石や多数の岩、石像・石碑があったりして本格的なものも多い。登拝すれば、家内安全や無病息災など本物と同じ御利益が得られるといわれる。

「富士登山は本格的な装備が必要で費用もかかるが、富士塚は無料で気軽に登れる御利益スポット」と山本さん。神道や仏教、修験道などに関する石造物も多く、宗教や歴史の勉強にもなるという。大泉富士がある練馬区は4つの富士塚を巡るコースを提案している。足場が悪い場所もあるので滑りにくい靴で行くのがよい。

富士塚は東京23区に50以上あるとされるが、登れなかったり、正月や山開き前後の時期に入山を限定したりするところもある。練馬区の江古田富士は登拝を年3回に限っている。一方、渋谷区の「千駄ケ谷富士」と品川区の「品川富士」は、いつでも登ることができる有名な富士塚だ。

千駄ケ谷富士は都内に残る富士塚では最も古いとされる。鳩森八幡神社内に築造されたこんもりとした小山は雰囲気も十分だ。登山道は自然石を用いた階段で、奥宮や里宮などの建物や烏帽子岩、釈迦の割れ石も再現した。神社では登った人に記念の朱印も発行している(300円)。一方の品川富士は高く、頂上からの眺めがよい。

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