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土方歳三と河井継之助、司馬作品にみる共通点

第24回菜の花忌シンポ

「土方歳三と河井継之助」をテーマに議論するパネリストたち(東京都千代田区のよみうりホール)

作家、司馬遼太郎をしのぶ第24回菜の花忌シンポジウムが2月14日、東京都内で開かれた。まず2017年に亡くなった夫、林新氏とともに「狼の義 新 犬養木堂伝」で第23回司馬賞を受賞したノンフィクション作家の堀川恵子氏が講演。「林は『3、4年に一冊、良い本を書けよ』と言っていた。それは粗製乱造するな、という意味かと思う。今後も正直な取材をして、一生懸命書いていきたい」と語った。

2020年には司馬作品を映画化した「燃えよ剣」(原田真人監督)、「峠 最後のサムライ」(小泉堯史監督)が公開される。それぞれの主人公である「土方歳三と河井継之助-『燃えよ剣』『峠』より」をテーマとしたパネル討論も開かれた。河井は幕末に越後長岡藩の家老となり、戊辰戦争では最新武装で新政府軍を苦しめたが、長岡は焼け野原となった。一方、新選組副長だった土方は戊辰戦争で旧幕府軍の一員として奮闘するが、箱館五稜郭で戦死する。

新潟県長岡市出身の俳優・エッセイストの星野知子氏は「継之助は郷土の誇りだが、焼け野原にしたこともあり、地元の人間としては複雑な思いを抱いている。郷土史家の方が『司馬さんは継之助の代わりに言い訳してくれた』とおっしゃっていた」と語った。国際日本文化研究センター准教授の磯田道史氏は「この2人は負けることを知りつつ、主体的な生き方を選んだ。外から与えられる『原理』がない今、主体性を考える上で参考になる」との見方を示した。

このほか、映画監督の小泉氏は「(師事した)黒澤明監督の映画と同じく、司馬作品には美しさと面白さがある」と述べ、作家の黒川博行氏は「この2作品を再読してみて、改めてそのうまさを実感した。戦闘場面の描写など言葉に過不足がない」と語った。

(中野稔)

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