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「歴史的転換点、挑戦したい」 中部電新社長に林氏

2020/2/19 20:00
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中部電力が5年ぶりに経営トップ交代に踏み切る。4月1日付で販売カンパニーのトップとして営業部門を統括してきた林欣吾専務執行役員(59)が社長に昇格し、再生可能エネルギーや暮らしの総合サービスなど新しい成長領域への取り組みを加速する。

記者会見する(左から)中部電力の林次期社長、水野会長、勝野社長(19日、名古屋市東区)

記者会見する(左から)中部電力の林次期社長、水野会長、勝野社長(19日、名古屋市東区)

19日、名古屋市で開いた記者会見で林氏は「エネルギーを取り巻く環境は異業種参入や人工知能(AI)を活用した新サービスなど歴史的な転換点にある」と話し、「販売現場で培った知見や震災後の成長戦略に携わった経験を生かし、新しい事業分野に積極的に挑戦していきたい」と抱負を述べた。

林氏は販売カンパニー社長として電力契約メニューの多様化や事業所の省エネ支援、IoT(モノのインターネット)サービスの導入などに取り組んできた。林氏は「電力販売の全面自由化で地域の概念はなくなり、商材もエネルギー以外に広がった。環境変化を商機につなげる」と述べ、高齢者の見守りなど暮らし全体を支えるサービスの投入を急ぐ考えを示した。

勝野哲社長(65)は会長、水野明久会長(66)は相談役に就く。林氏を選んだ理由について勝野氏は「性格が明るく、判断力や行動力に優れる」、水野氏は「東京支社長を経験し中央に人脈もある。トップとして適任だ」と述べた。

中部電社長は勝野氏まで3代連続で技術系出身者が就いた。林氏は事務系だが、勝野氏は「技術、事務という区分けは重要でない。顧客目線でデジタル化など新しい技術やサービスに取り組む姿勢が必要だ」と話した。

中部電は4月1日付で販売部門が「中部電力ミライズ」、送配電部門が「中部電力パワーグリッド」として分社化する。グループの一体感をどう出していくかも焦点になる。林氏は「グループの和を保つのは非常に重要だ。グループ全体でビジョンを共有し、皆が同じ将来図を描けるようにする」と力を込めた。

会長に就く勝野氏は「グループ全体を見渡し、最適なかじ取りができるよう尽力する」と述べ、不動産やIT(情報技術)など多岐にわたるグループ会社をまとめていく考えを示した。中部経済連合会の会長に内定した水野会長は、相談役として中部地域の財界活動に励む。

 林 欣吾氏(はやし・きんご)84年(昭59年)京大法卒、中部電力入社。15年執行役員、16年東京支社長、18年販売カンパニー社長。三重県出身。
 記者会見での主なやり取りは以下の通り。
 ――林氏を後任に選んだ理由は。
 勝野哲社長「1年ほど前から次期社長の適任者を考えてきた。林氏とは東日本大震災で浜岡原子力発電所を停止した際の経営戦略本部での上司と部下の関係で、経営方針の策定や関係省庁との折衝など難しい業務をこなしていくのを見てきた。顧客目線で取引先の信頼も厚い」
 ――いつ昇格を打診したのか。
 勝野氏「年明け早々、社長室に呼んでバトンタッチをお願いした」
 林欣吾専務執行役員「分社化を控え、事業環境が大きく変わるタイミングだけに正直驚いた。何ができるかを考え、全力を尽くすべきだと思い引き受けた」
 ――経営ビジョンでは2020年代後半に経常利益を2500億円以上に引き上げる目標を掲げる。
 林氏「目標達成は非常に厳しいが、ビジョンにある新領域への取り組みを加速し具現化していく。低炭素化など社会が求める要望にも応えていく」
 ――原子力発電事業についての見解を。
 林氏「電力を安定、安価に届けるのに重要な電源だ。地元への理解促進に励む」

(湯浅兼輔)

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