IMF、新型肺炎で国際協調を G20で提言へ
【ワシントン=鳳山太成】国際通貨基金(IMF)は19日、新型コロナウイルスによる肺炎が広がるなか、世界経済への悪影響を抑えるため「国際協調が不可欠だ」とする提言を発表した。サウジアラビアで22~23日に開く20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に向け、金融緩和と財政出動を適切に組み合わせて世界経済を支えるよう各国に求めた。
G20会合の討議資料となる報告書では、新型肺炎が中国の生産減少など経済の減速リスクになると指摘した。早期に収束して20年後半に急回復する可能性に触れつつも「感染拡大が長引けばサプライチェーン(供給網)の混乱などを通じて世界経済への悪影響は深刻になる」と警告した。
IMFのゲオルギエバ専務理事は新型肺炎について「最も緊急を要する不確実性だ」と各国に呼びかけた。
米中貿易摩擦については、2020年の世界全体の国内総生産(GDP)を0.6%押し下げると推定した。2月14日に発効した「第1段階の合意」により、従来の試算値(0.8%減)より改善する。ただ中国による輸入拡大策で数値目標を盛り込むなど「管理貿易」の側面があり、経済回復の足かせになると批判している。

新型コロナウイルスの関連ニュースをこちらでまとめてお読みいただけます。
■ワクチン・治療薬 ■国内 ■海外 ■感染状況 ■論文・調査 ■Nikkei Asia
-
【よく読まれている記事】
- 新型コロナウイルスは体内にいつまで残るのか
- 「コロナに決してかからない人」はいるのか?