「ブランド価値、体験重視で向上」コンサル社長

ブランディング事業を手掛ける米インターブランド傘下のインターブランドジャパン(東京・渋谷)は2020年の日本企業のブランド価値ランキングを発表した。首位は12年連続で「トヨタ」だった。今回のポイントについてインターブランドジャパンの並木将仁社長に聞いた。
――今回は公表範囲などを変えました。
「従来は海外売上高比率をもとに『グローバル』と『ドメスティック』のブランドランキングを分けて発表していたが、一本化で分かりやすくなったと思う。総じてグローバルの方がブランド価値が高く、上位40社ずつの発表だと入らないグローバルブランドもあった。統合して100位まで広げたことでHOYA(50位)などが初めてランクインした」
――注目されている企業の取り組みは。
「伸び率トップは資生堂(17位)で23%増えている。シンガポールでの(『SHISEIDO』の名を冠する屋内庭園)『SHISEIDO FOREST VALLEY』などを実施した。リアル空間での販売だけでなく、もう少し広い範囲で体験・体感を重視した活動が各社のブランド価値向上につながっている」
「海外で戦っているところは総じてブランドに対する取り組みも積極的だが、内需主導型だとまだ意識が追いついていない面もある。今後はいいものを作れば(顧客は)買うだろうではなく、顧客を巻き込み一緒になって商品を作っていくような取り組みもブランド価値を向上させていくうえで重要だ」(花田亮輔)