/

英HSBC、3万5000人削減へ 欧米の投資銀行部門を縮小

低金利の長期化や世界景気の減速が逆風に(ロンドンの本社)=ロイター

【ロンドン=篠崎健太】英金融大手HSBCホールディングスは18日、欧州と米国の投資銀行部門を軸とするリストラ策を発表した。2022年までの3年間で、世界の従業員の15%にあたる約3万5000人を削減する見通しだ。個人金融と富裕層部門の統合などグローバルな組織再編も進める。低金利が長期化し世界景気が減速するなか、大胆なスリム化で収益力の回復を急ぐ。

ノエル・クイン暫定最高経営責任者(CEO)は同日の電話記者会見で「欧州と米国、グローバルバンキング&マーケッツ部門は受け入れられない収益状況だ」と語った。リスク加重ベースの資産規模を22年末までに1000億ドル(約11兆円)圧縮し、年間45億ドル規模のコストを減らす。「我々の歴史上最も大幅なリストラと簡素化のひとつになる」と強調した。

リストラの柱は業績の不振が続く欧米の投資銀行部門だ。欧州では債券やデリバティブ(金融派生商品)を中心に事業規模を縮小する。トレーディングや株式調査部門も削り、3年間で欧州全体の資産規模を約35%落とす。米国では支店網を3割縮小したり、債券事業をロンドンに一部統合したりするなどし、投資銀行部門の資産規模を約45%減らすとした。

背景には、長引く低金利環境や債券市場の変動率低下などがある。多くの銀行がひしめく欧州では競争が厳しく、域内景気の停滞や英国の欧州連合(EU)離脱など不透明感が強い。フィンテックの台頭などデジタル化のうねりも強まるなか、抜本的な再編が不可欠と判断した。

個人金融部門と富裕層向けのプライベートバンキング部門を一本化するほか、コスト削減へ全社的な間接部門の統合を進める方針も示した。

利益の大半を稼ぐアジアは好調だ。地盤の香港で19年に激化した民主化デモや新型コロナウイルスの感染拡大などが今後の懸念材料だ。同社は新型ウイルス問題が20年の業績に悪影響を及ぼすとの見通しを示した。ただクイン氏は「中国への関与は変わらない」と述べ、中国やアジアへの積極投資を続ける方針を示した。

同日発表した2019年12月期の連結決算は、純利益が前の期比53%減の59億6900万ドルだった。最終減益は3年ぶり。アジア事業は好調だったが、欧州の投資銀行や商業銀行部門を中心に73億ドルの減損処理を実施したことが響いた。

春割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

関連企業・業界

業界:

セレクション

トレンドウオッチ

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で申し込むログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で申し込むログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で申し込むログイン