5G・ドローン、安保前面に 新法案を閣議決定 - 日本経済新聞
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5G・ドローン、安保前面に 新法案を閣議決定

政府は18日、次世代通信規格「5G」の普及に向けた新法案を閣議決定した。情報漏洩の防止などで一定の条件を満たす企業を対象に、5G基地局などへの投資額の15%を法人税から税額控除する。同じ条件でドローン(小型無人機)の開発企業も支援する。政府は経済分野の安全保障を重視する姿勢を鮮明にしており、その一環で国内企業を後押しする。

新法案は今国会に提出し、今夏の施行をめざす。国内の携帯通信大手や、工場などで独自の5G通信網を築く「ローカル5G」事業者が事業計画を作成し、政府に提出する。経済産業・総務両相が認定した事業者は減税や財政投融資を活用した低利融資を受けられる。

認定時の要件は3つある。1つ目は情報漏洩や第三者による通信システムへの侵入防止といった「安全性・信頼性」だ。2つ目が安定的に生産・供給できる体制が整っているかどうかの「供給安定性」、3つ目は海外企業との連携を可能にする国際規格をどれだけ採用しているかという「オープン性」が基準となる。

5Gの通信機器開発は中国の華為技術(ファーウェイ)が先行している。政府は中国企業の製品が機密情報を漏洩する安全保障上のリスクが拭えないとみて警戒を強めている。米国と中国の覇権争いがハイテク分野で続く中、中国企業への規制強化を呼びかける米国に足並みをそろえるとみられる。3要件を満たしやすい日本企業の製品を採用するよう促す狙いもある。

ドローンも中国製のシェアが大きい。インフラ点検や災害対策で政府の調達も広がる中、安全保障上の懸念が生じないよう、5Gと同じ3要件を満たす企業が資金調達で優遇を受けやすくする。

新法案について、政府は今夏の施行にあわせて認定基準の指針もとりまとめる予定だ。5Gをめぐっては英国がファーウェイ製品の限定的な使用を認め、他国が追随する可能性がある。政府は海外の動向を見ながら指針の策定作業を進める。

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