九州・沖縄企業、稼ぐ力に衰え 19年4~12月決算

2020/2/18 5:00
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九州・沖縄企業の収益力が低下している。このほど出そろった2019年4~12月期の決算で、上場52社合計の経常利益が前年同期比13%減の1046億円となった。天候不順や米中貿易摩擦が企業活動に影を落としている。足元では新型肺炎流行の影響で中国人観光客が急減するなど新たな下押し要因も出てきており、20年3月期の業績予想を下方修正する動きも相次いだ。

19年の冷夏に続く暖冬という天候不順で痛手を受けた業種がエネルギーだ。九州電力は暖房需要の低迷が響き、7割の大幅減益となった。販売電力量の伸び悩みで余った火力発電用の液化天然ガス(LNG)の転売損失も膨らみ、採算悪化に拍車がかかった。

20年3月期の業績予想についても今後の需要回復が見込めないとして、2度目の下方修正に追い込まれた。記者会見で池辺和弘社長は終始硬い表情を見せながら「減益の要因は暖かい気温だと思っている」と話した。

西部ガスも「暖冬は続く見込み」(藤本亨副社長)として都市ガスの販売量見通しと業績予想を下方修正した。道永幸典社長は「現状をしっかり認識し、事業の多角化を進めていかなければ」と危機感を示した。

製造業にとっては米中貿易摩擦の長期化に加え、中国での新型肺炎流行が新たな脅威となっている。

7割減益となった平田機工は国内外での自動車・半導体関連の設備投資の停滞が経営を直撃した。「受注がなくなったわけではないが、納入が先延ばしになっている案件が増えている」。足元では原価低減に取り組むが、売上高の減少を補えず純利益は当初予想を下回る見込みだ。新型肺炎については顧客の自動車メーカーから「中国の工場がこのような感じなので、少し待ってほしい」と連絡があったという。

TOTOは利益貢献度が高い中国事業で19年10~12月に新商品販売が増え、上半期までの経常減益幅を縮小した。ただ、今後は新型肺炎の影響で中国の住宅市場の不透明感が強まり、現地工場の操業をどうするかという課題が浮上している。

ゼンリンは4~12月期として5期ぶりの減収となり、経常赤字を計上した。低調な新車販売やカーナビ利用の頭打ちで地図データ販売が振るわなかった。グーグルマップ関連とみられる収入減やダイレクトメールの発送代行事業で大型案件がなくなったことも響いた。

新型肺炎流行による訪日観光客の減少などは、企業決算に影響を与えそうだ。西日本鉄道は日韓関係の悪化による韓国人客の減少に加え、新型肺炎により国際物流部門などで影響がでるとの見通しから、20年3月期の連結純利益の予想を引き下げた。ホテル事業では足元で、中国人客のキャンセルが出ているという。

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