韓国、保守系野党が合流 4月総選挙にらむも力不足

2020/2/17 18:00
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保守・未来統合党代表の黄教安氏は小選挙区で李洛淵前首相と議席を争う(14日、ソウル)

保守・未来統合党代表の黄教安氏は小選挙区で李洛淵前首相と議席を争う(14日、ソウル)

【ソウル=恩地洋介】韓国の保守系野党の3党が合流して誕生した新党「未来統合党」が17日、発足した。保守勢力は朴槿恵(パク・クネ)前大統領が2016年末に弾劾訴追され、失脚して以降は分裂状態にあったが、4月15日投開票の総選挙を見据え、再編に動いた。ただ文在寅(ムン・ジェイン)政権を支える革新系与党に対抗する政策は乏しい。強いリーダーも見当たらない。文政権への批判票の動向が選挙結果を左右する。

新党は、野党第1党の自由韓国党のほか、国会で議席を持つ「新しい保守党」など3つの政党が合流して発足した。総選挙を2カ月後に控え、小選挙区で与党候補に対抗する保守の統一候補を擁立するのが狙い。一方、少数与党の「共に民主党」は過半数議席の獲得を目指す。保守の新党がこれを阻めるかが焦点だ。

新党の黄教安(ファン・ギョアン)代表は17日の結党式で「文政権を審判し、自由民主主義を守ってくれという国民の叫びが統合党の発足を導いた」と語った。選挙結果は、22年までの文政権の運営や、次期大統領選の行方に影響する。

韓国の代表的な保守政党で、朴政権当時の与党セヌリ党は、16年12月に国会が朴大統領の弾劾訴追案を可決した後に分裂した。朴前大統領と距離を置く議員は離党し、中道勢力と新たな党をつくった。セヌリ党は17年2月に自由韓国党と名称を変えたが、文政権下では低迷していた。18年6月の統一地方選では大敗し、主要自治体の首長を軒並み革新に奪われた。

足元では相次ぐ政権や与党のスキャンダルで、野党には一定の追い風が吹いている。韓国ギャラップが14日に公表した世論調査によると、選挙で与党を支持すると答えた人は43%で、野党を支持する人(45%)を2ポイント下回った。

ただ、保守が政権批判の受け皿となる決め手があるわけではない。黄氏は1月の記者会見で「この3年間、文政権の頭の中は北朝鮮だけだった。経済や国民の生活が底から崩れている」と強調したが、目を引く経済政策を打ち出せているわけではない。むしろ、文政権は積極財政で社会福祉政策を手厚くしている。

保守がかすむ原因には、核となる人物の不在も背景にある。黄氏は朴政権で首相や大統領権限代行を務めた。知名度が高く、19年2月に自由韓国党の代表に就いた。しかし国会議員ではなく、党内基盤は脆弱だ。

黄氏は選挙戦ではソウル中心部の鍾路(チョンノ)選挙区から出馬する。世論調査で次期大統領候補の人気1位につく李洛淵(イ・ナギョン)前首相と議席を争う。保革対立の象徴となる選挙区で勝てば、次期大統領選へ弾みはつく。だが、負ければ党内の足場が揺らぎ、保守の顔選びが再び混迷する可能性もある。

今回の総選挙には中小政党に有利とされる小選挙区連動型の比例代表制が導入される。比例選には朴前大統領を支持する強硬保守の政党や、キリスト教系の保守政党などが乱立する見通しだ。文政権を批判しながら第三極を掲げる安哲秀(アン・チョルス)氏らの勢力もあり、保守勢力の結集にはなお課題が多い。

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