豪州、大雨で森林火災ほぼ鎮火 一転、洪水被害も

2020/2/17 16:34
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【シドニー=松本史】2019年11月から大規模な森林火災が続いたオーストラリアが、一転して記録的な豪雨に見舞われた。豪雨で大半の森林火災が鎮火した一方、一部では洪水が発生し、豪気象庁は洪水警報を断続的に発令した。度重なる自然災害は中国発の新型コロナウイルスによる肺炎のまん延とともに豪経済の重荷となりそうだ。

豪雨による浸水も相次いだ(NSW州北部)=AAP

豪雨による浸水も相次いだ(NSW州北部)=AAP

最大都市のシドニーがある豪東部ニューサウスウェールズ(NSW)州では森林火災はほぼ鎮火し、同州の消防当局は「疲労と心配を引き起こした今回の森林火災のシーズン中で初めて、全ての火災を制圧した」との声明を発表した。

消火活動に役だったのが、7日から降り始めた断続的な豪雨だ。シドニーの降水量は4日間で391.6ミリとなり、1990年以来30年ぶりの記録となった。暴風を伴う豪雨がやんだ後も降雨は続き、火災の鎮火につながった。

NSW州同様、大きな被害を受けたビクトリア州では17日時点で2件の火災が続いているが、南オーストラリア州やクイーンズランド(QLD)州ではほとんどの火災が鎮火した。

NSW州など豪東部は長く干ばつに見舞われていたが、豪雨は干ばつをも解消する勢いだ。シドニー都市圏に水を供給するダムの平均貯水率は17日に80.4%となり、10日間で40ポイント近く上昇した。24時間の降水量が100ミリを超える地域も出て、気象庁は注意を呼び掛けた。

QLD州でも、観光地サンシャインコーストで1日で200ミリ以上の降水を記録するなど、2月の月間平均降水量(190ミリ)を上回り、複数の地域で洪水警報が出た。また州南部ではダムの壁に穴が見つかり、付近の住民らが避難する騒ぎもあった。QLD州は農業や資源産業が盛んだ。洪水で道路や鉄道など輸送網が寸断されれば、経済への影響は避けられない。

豪州では観光のピークにあたる12月から1月にかけて森林火災が深刻化し、海外からの旅行キャンセルが相次ぎ観光業が打撃を受けた。消費者心理も冷え込み、森林火災が2019年度(19年7月~20年6月)の国内総生産(GDP)を0.4ポイント押し下げるとの予想もある。今後、豪雨による洪水被害などが起きればさらなる下押し要因となる。

加えて、中国で発生した新型コロナウイルスによる肺炎も豪経済のリスク要因となっている。豪政府が感染拡大防止の一環で、中国本土からの外国人の入国を認めない方針を打ち出したことで、観光や教育産業への影響は拡大している。

豪運用大手、AMPキャピタルのチーフエコノミスト、シェーン・オリバー氏は、中国からの旅行客と留学生による支出が豪GDPの0.8%を、中国への資源輸出が同4.8%を占めると指摘する。20年1~3月期のGDPは前期比0.1%減とマイナス成長になると予測している。

豪州は19年7~9月期まで一般的な景気後退の定義とされる「2四半期連続のマイナス成長」を経験していない期間が113四半期連続と世界最長を記録している。ただ相次ぐ自然災害と新型肺炎は豪経済へのダブルパンチとなり不確実性を高めている。

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