キリンHD、一時8%安 バイオ子会社不振

17日の東京株式市場でキリンホールディングス株が大幅に反落した。一時前週末比8%(195円50銭)安の2336円50銭と、1カ月ぶりの安値をつけた。14日に発表した2020年12月期の業績予想がバイオ子会社の業績悪化などで市場予想を下回り、売りがふくらんだ。
20年12月期の連結純利益(国際会計基準)は前期比94%増の1155億円になりそうだが、前期に計上した減損損失がなくなる影響が大きい。バイオ子会社、協和発酵バイオの不振で市場予想の1366億円を下回った。
協和発酵バイオは定められた手順と異なる方法で原薬を製造していたことが判明し、昨年9月から一部製品の出荷を停止している。同社の19年12月期の事業利益は71%減の23億円にとどまり、今期は20億円の赤字に転落する。
キリンHDは協和発酵バイオなどが手がける健康事業を成長のけん引役と位置づけているだけに、市場は「つまずきは残念」(ゴールドマン・サックス証券の山口慶子アナリスト)と受け止めた。
今期は協和発酵バイオだけでなく、競争激化でマーケティング費用を積み増すオーストラリア子会社ライオンも業績の重荷になる。内需の弱さへの懸念も高まっており、「当面は安値圏で推移する」(国内運用会社)との声が聞かれた。
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