群馬で大型観光企画、1775万人誘客へ 宿泊客増なるか
北関東フォーカス

2020/2/17 15:23
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JRグループと群馬県内の自治体、観光業者などは4~6月、大型観光企画「群馬デスティネーションキャンペーン(DC)」を開催する。SNS(交流サイト)などデジタル媒体を活用した情報発信や2次交通の拡充に力を入れ、期間中に1775万人の観光誘客を目指す。同県を訪れる観光客は日帰り客が多いため、宿泊客を増やす工夫も凝らしている。

山本知事(左から2人目)らが群馬DCをアピールした(13日、前橋市)

山本知事(左から2人目)らが群馬DCをアピールした(13日、前橋市)

群馬DCは「心にググっとぐんま わくわく 体験 新発見」をテーマに、絹産業遺産で関係の深い埼玉県北部地域や秩父地域と連携して開く。群馬での開催は2011年7~9月以来、9年ぶり5回目。

期間中に特に注力するのがデジタル媒体による情報発信だ。ホームページやSNSでの情報発信に加え、公式ガイドブックにQRコードを掲載し、観光施設の詳細情報に誘導。写真投稿サイト「インスタグラム」で約20万人のフォロワーを持つ投稿者にも情報発信してもらう。

観光客に情報発信を促す仕組みも用意する。自分好みの旅行プランを作成できるサイト「PLAT」で3月26日まで、群馬の旅行プランを募集するコンテストを実施。短文投稿サイト「ツイッター」に特定のハッシュタグを付けて県内の写真を投稿すると、抽選で特産品が当たるキャンペーンも実施する。

群馬県の山本一太知事は「今は紙媒体から旅行の情報を得る人は少ない。時代の変化に合わせ、デジタルでの情報発信を強化する」と狙いを説明する。QRコードの読み込み数やウェブ広告のクリック数を分析し、DC終了後の観光振興に生かしていく。

東京などから電車や高速バスで訪れる観光客向けには2次交通の整備も欠かせない。県内各地のイベントに合わせて無料シャトルバスを用意するほか、県内の主要駅と温泉地をつなぐ周遊観光タクシーも運行する。次世代移動サービス「MaaS(マース)」の普及に向け、スマートフォンで移動手段の検索や予約、決済ができる「ググっとぐんMaaS」の実証実験も行う。

期間中の観光客数の目標は19年4~6月に開催した「プレDC」に比べ7.5%増の1775万人に設定した。山本知事は「20年は東京五輪・パラリンピックの開催や(高崎市に建設中の大型コンベンション施設の)『Gメッセ群馬』の開業を控える。群馬県を全国、全世界にPRするまたとないチャンスだ」と意気込む。

ただ、DCの開幕を前に課題も浮き彫りになってきた。19年のプレDCでは観光客数が1650万人を超えた一方、県内の主な9温泉地の宿泊客数は125万人にとどまった。群馬を訪れても宿泊地は東京など他地域を選ぶ客は依然として多い。地域経済を活性化するには、観光客にいかに県内で宿泊してもらうかが重要になる。

県内温泉地の宿泊者増が課題(群馬県草津町の草津温泉)

県内温泉地の宿泊者増が課題(群馬県草津町の草津温泉)

このため、県は旅行会社と組み、ブランド牛「上州和牛」や県産ニジマス「ギンヒカリ」などを使った料理や地酒、地ビールを提供する特別宿泊プランを企画。「じゃらんnet」「楽天トラベル」など5つの予約サイトで販売する。

温泉地での宿泊を促すイベントも充実させる。老神温泉(沼田市)の宿泊客を対象に、薗原ダムの内部を見学するツアーを実施。伊香保温泉(渋川市)では紅葉の名所の河鹿橋で「新緑ライトアップ」を行う。これらにより、県内宿泊客をプレDC比5.1%増の205万人に伸ばす考えだ。

足元では中国で発生した新型肺炎の拡大も懸念される。県観光物産課は「開幕までに事態が収束する可能性もあるため、キャンペーンを縮小することは考えていない」とするものの、「状況は注視したい。観光関係者にはマスクの着用や手洗いなど、感染拡大を防止するための普及啓発に取り組んでいく」としている。(前橋支局 木村祐太)

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